ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜

2003年3月20日更新 

横浜のホテルサービスの惨状 その2

横浜の複数ホテルであまりにもひどいサービスを受けた。日頃忙しくてホテルを利用しない週末の出来事。ちょっと皆で考えて見ようじゃないか。

実録その2

みなとみらいにある一流ホテルのロビーラウンジでの出来事。日曜日の昼頃、そのラウンジは30%くらいの入客で落着いた雰囲気であった。

我々、おじさん4名は何十年もホテルサービス一筋で生きてきたプロ集団。ビジネストークをする為に、わざわざ車に乗ってこのホテルを選びやって来た。

問題は我々のテーブルを担当したウエイトレスのスキル。

注文を聞きに来たウエイトレスにこう言った。私「オレンジジュース」Aさん「アイスコーヒー」Bさん「アイスティ」Cさん「アイスミルク」

ウエイトレスは「かしこまりました」とメモを取ることも無く注文を受けた。我々は話を始めた。約3分後にそのウエイトレスはAさんに「ご注文は何でしたか」と確認しに来た。勿論、Aさんは「アイスコーヒー」と答えた。

話を中断された我々は「何だ」と心の中でむっとした。

しばらくするとトレイに沢山のドリンクを乗せたウエイトレスがやって来た。いきなりBさんに暖かい紅茶のポットを置いた。

するとCさんが「この人はアイスティですよ」と注意した。ウエイトレスは動揺したのか砂時計を床に落とした。あわや、トレイのドリンクをすべてひっくり返しそうになった。

しかもこのウエイトレスは、アイスティ注文のBさんに黙ってアイスミルクを置いた。我々全員は「ハァ?」と驚いた。

我々はこのウエイトレスに「この人がアイスミルク、この人はアイスティ。分かった?」と注意した。その後にようやく注文どおりにドリンクを配った。

このラウンジのドリンクは800円にサービス料10%を加算している。この値段を取るホテルのラウンジでこのような低レベルのサービスを受けたのは初めて。

まず注文された物をちゃんと届けるのは運輸業の基本。最近の運輸業は笑顔でちゃんと届けてくれる。

ホテルはサービス業である。この運輸業にも劣るサービスを受けて何でサービス料を自動的に請求されるのか、大いに疑問だ。

このウエイトレスの上司は、このようなサービスしか出来ないことを知っているだろう。このウエイトレスは配膳人紹介所から来たトレイも満足に持てない素人だ。

ホテルは何の教育もしないでいきなり働かせている。VIPゲストやホテルの偉い人が利用する時にはちゃんと社員がサービスをする。

日曜日の昼はVIPもホテルの偉い人も利用しない。観光客や婚礼出席者という一見さん営業である。まったく勘違いしている。

一見さんだからこそ、ドリンク1杯で1000円の価値を証明して欲しい。ここまでひどいサービスだと「口コミ評価」が加速して広がるだろう。「ホテルは高くてひどい」

今日来られた全てのゲストに全力にてサービスしよう。そうすれば宣伝も旅行会社依存も企画も必要が無いくらい客が増える。

偉い人も、裏方の人も、すべてのスタッフで「今日のお客様」を大切にしよう!

 

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