ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜

2003年3月19日更新 

横浜のホテルサービスの惨状 その1

横浜の複数ホテルであまりにもひどいサービスを受けた。日頃忙しくてホテルを利用しない週末の出来事。ちょっと皆で考えて見ようじゃないか。

実録その1

土曜日の夕食はホテル以外で取っていた。仲間の1人が「ホテルのバーでゆっくり飲みましょう」と提案した。

向ったホテルのレストランは、フランス料理、イタリア料理、ブッフェ、和食、中華、ステーキハウスをもつフル装備ホテル。

飲料施設は、バーラウンジ、ラウンジ、ワインバーの3ヶ所。

バーラウンジを見つけて向った。入り口で「4名です」と言うと「1時間待ちです」としか答えなかった。申し訳ないも、他を勧めることも何もないこの対応。

疑い深い私は中に入って様子を確認した。生演奏をしており混んでいたが何席かは空いていた。別にごねるとかでなく「ゆっくり飲む雰囲気」ではないので黙って出てきた。

レストラン・バーインフォメーションのボードまで戻って「ゆっくり飲めるバー」を探した。これほど料飲施設が充実しているのにメインバーがない。

ワインバーを見つけた。私はこのワインバーを利用した覚えがあり、静かな雰囲気と記憶してる。4名でエレベーターに乗りワインバーを目指した。

イタリアンレストランの前を通り過ぎてワインバーに向う我々に、ソムリエバッチを付けたスタッフが声をかけてきた。

「すいません、今日ワインバーは貸切です」(おそらく婚礼の2次会)「え、このホテルで飲めるとこはどこなの?」と質問した。

「ロビーラウンジです」「何時までやってるの」「9時半です」時計を見ると9時15分。

結局、我々は「落着いた雰囲気で飲む」という目的を達成することができなかった。落着いていなくても飲むことが出来なかった。

我々が飲むということは1人5000円は使う。そのような客をホテルは受け入れなかった。

ホテルのマネージメントはこの現状を理解しているのか疑問。ホテルの偉い人が休む土曜日の夜にこのような失礼な対応が行われている事実を見ているのだろうか。

最初のバーラウンジのスタッフは、他に飲める場所がないのを承知しているので、客とのやり取りを拒否しているとしか思えない。

イタリアンレストランのソムリエも、客の立場を全く理解していない。我々は「彼は社員だろうか」と議論になったくらいだから。

ワインバーも、ホテルの売上確保最優先か、婚礼の1組獲得の為に勝手に貸切にしてしまう。何度も言うが、団体客は楽して売上が上がる。この売上に隠された個人客への失礼に対する売上損失をどう考えるのだろうか。

次の日、ホテルの接客にがっかりする我々は、有名ホテルで信じられないサービスを受けた。 その2に続く。

 

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