ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜
驚けないホテルの料理 ホテル勤務を辞めて4年以上経つ。最近ホテルの料理を見て食べてつくづく感じることがある。 「ホテルの料理には驚きがない」 和洋中の問題でなく、高い安いの問題でなく、美味しいまずいの問題でもない。もう何年も驚く料理に出合っていない。 驚きの料理が無い限り、そのホテルの料理を食べに再び訪れようとは思わない。 私がホテルに入った頃(20年以上前)、ホテルの料理は驚きの連続であった。どのホテルに行っても何らかの驚きがあった。 原因はなんだろう? おそらく多くの人がホテルで食事する機会が増えて、ホテル料理というカテゴリー内での変化では驚かなくなったのだろう。 ホテルの料理人は一流だというプライドが高いのか。料理の伝統を守り続けることが料理人の務めだと思っているのだろうか。 いまだに調理スタッフがサービススタッフに「早くもって行け、冷めるやろこのバカ!」と言ってないか? お客様のリクエストを伝えるサービススタッフに「こんなじゃまくさいこと聞いてくるな、このバカ!」と言ってないか? そんなことを言わせている調理場の責任者にこう言いたい。「あなたの料理で店がいっぱいになり、スタッフ全員が裕福になれるなら、あなたの言うことの全てを聞きます」 「あなたの料理で店がいっぱいにならないからスタッフ全員が苦労しているでしょう」 どうすれば客でいっぱいになるのかを、サービススタッフを交えて議論して欲しい。 答えは簡単。「おどろく料理を創れ!」 安くて驚く。高くて驚く。美味くて驚く。まずくて驚く。可愛くて驚く。オシャレなので驚く。・・・・・・・・・・ すでに、これらの驚きの全てがホテル以外の飲食店では体験できます。
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