ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜

2003年2月25日更新 

博多のホテルでみつけた素敵な企画

ホテルオークラ福岡で素敵な企画を見つけた。「博多よかっちゃナイト」という名前の企画です。

ホテルのパンフレットから

博多の味を楽しむプラン。厳選された博多の味を、ホテル内外の名店で堪能できる贅沢なひととき。ご宿泊もセットされたプランで、博多の夜を満喫ください。

このプランは、スタンダードなどんたくコース(ツイン15000円から)、ちょっとリッチに玉せせりコース(ツイン18000円から)、ゴージャスに山笠コース(ツイン21000円から)。

シングルやトリプルのプランもあります。休日前はすべて4000円の割増になっています。

各コースともに1つのホテル内レストランと3つの街場のレストランが選べます。ホテル外のレストランはすべて和食で「割烹かじ本店」「寿司すし幸」「「料亭華味鳥」「料亭稚加栄」というライナップ。

全てのレストランの料理内容が写真入で紹介している。

各コースの料金には1泊室料、朝食(ホテル内)、夕食とサービス料が入っている。料金には街場のレストランまでの交通費とドリンクは入っていない。

この企画の内容はある意味では画期的なものである。ホテルがホテル以外のレストランへ送客する発想は中々できない。

期間は2002年12月1日から2004年3月31までの長期間企画。パンフレットもA4見開きで立派なものです。

料金も1泊2食の旅館と比較しても決して高い料金ではない。はたしてこの企画は売れるのであろうか?

私はこの企画売れないと思う。

ホテル企画としては斬新な内容でいいのだが、この企画は旅行会社ではごく平凡な内容になるからである。

博多の人はわざわざホテルに泊まって近所のレストランには行かない。おそらくホテルに泊まった観光客向けのプロモーションだろう。

それなら自分で交通手段を手配してまで行くほどの魅力はあるのだろうか。

プランに入っているレストランは一般客が電話しても予約が取れないのだろうか?

パンフレットには「直接各レストランへのお問合せはご遠慮ください」と書いてある。この意味は旅行会社の食券価格を知られたくないと同じ意味ではないか。

類似企画で観劇プランなどがある。これはホテルに宿泊すれば手に入らない席で観劇できるメリットがある。

プロ野球宿泊プランも、球場で並んでも買えないいい席で野球観戦ができるメリットがある。

この「博多よかっちゃナイト」が客にとってどのようなメリットがあるのかが見えてこない。

例えば「どっちの料理ショー」で出てくる特選素材を組み込んだ限定メニューが味わえるなど。

以前「福屋のめんたいこ」が特選素材で出てきた時は食べたかった。しかし、凡人の私の口に入らないと勝手にあきらめた。

凡人が口にすることが困難なメニューを特別に組み込んだ宿泊プランなら言ってみようかと思いませんか?

あと一ひねりあれば爆発するのにね。

 

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