ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜

2004年01月27日更新 

ホテル長期滞在を終えて その2

長期で滞在していたホテルでは、朝食つきホテルプラン。限られた予算内のプランなのでコーヒーショップ限定利用の朝食券で料金は1,200円。(税サ別)

このコーヒーショップはテーブルサービスの朝食です。つまりブッフェではないという意味。

アメリカンブレックファストが基本で、ジュースと玉子料理とハムかベーコンを選ぶ。あとコーヒーか紅茶になる。パンはバスケットに入った3種類。

はっきり言って「まずい」朝食である。

コーヒーは機械で抽出しているがまったく香りが立ってこない。朝は香り高いコーヒーが飲みたい。

パンは一時的に温めているが、フニャフニャしてサクサク感がない。トーストもおそらくサラマンダで色づけしたのかサクサク感がない。

バターはシルバーの器にホイップして絞ってある。最初はインパクトがあった演出だがバターの風味が消えている。

フライドエッグはターンオーバーの固焼きを頼んだ。これも時々、黄身が割れて出てきたり半生が出てきたり一定していない。

オムレツも「見事」という出来は3回に1度程度しか出てこない。調理場から玉子をかき回す音がするのだがかなり待たされることもある。(失敗しているのだろう)

時々、一緒に朝食を食べた人も言っている。「美味しくないな」と。

このコーヒーショップではゲストニーズに答える形で和朝食も同じ食券でだしている。

多くのホテルで見かけることだが、洋食レストランでは和食みたいな朝食が出される。

右下にあるのは湯葉のあたたかい料理だが最初「明石焼のたこやき」と間違えた。どう調理してあるのかは不明だがまずくて食べられない。

左上には冷たい笹かまぼこと冷たい玉子焼の上にぬるい保存食的な魚が温められておいてある。焼き魚を出しておけば良いというレベルの魚。とてもホテルの調理場から出てくるレベルではない。

ご飯はいつも焚き具合が違う。ある日はかたかったり、ある日はベチャベチャしていたりと不安定である。

なぜかこの和朝食には「ヨーグルト」が添えられるのだが意味不明。但し、コーヒーを追加注文する場合は200円(税サ込みで231円)の追加料金なのは良心的。

ここまで読んでいただくと「朝食がまずい」ということを書いているが、私は「朝食がまずい」ということを言いたいわけではない。

ここのホテルが朝食軽視になっていることが問題だと考えている。

3ヶ月以上も同じ食券を持って同じコーヒーショップに出かけているのに、ウエイトレスは「この食事券はこのコースとこのコースから選べます」とハンで押したような接客しかしてくれない。

何十回も出かけているのに「黒服」を見たのはは2回しかない。明らかにサービスを分かっていない若い人たちだけで朝食オペレーションをしている。

フライドエッグに「ウスターソース」をお願いした時「オイスターソース」をもってこられた。皆様、一度試してくれ、吐きそうになるから。

たったの一度も「お味はどうでしたか」など聞かれたことも無い。50席はあるコーヒーショップの朝食が客10名以下のオペレーションを続けている。

私は言いたい。ホテルの偉い方や料理長がこのコーヒーショップに座り朝食を食べていただきたい。客の目線で色々考えていただきたい。

そうすれば座るのを躊躇するベンチシートの汚れが目に入るはず。

私が朝食をサービスしていた時、そのホテルの総支配人は毎日朝食をホテルで食べていた。そして誰よりも厳しい指摘を毎日していただいた。

だから一流のホテルであり続けられたと考えている。

その3に続く。(メインダイニングのサービスとはに続く)

 

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