ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年
第二章 オリジナルマーケティング戦略
攻めの店づくり
2001/7/1更新
セールストーク その1 これまでの店づくりは最低必要なポイントである。これもしっかりしていれば赤字のレストランにはならないはず。ここからの店づくりは攻めである。売上を上げる為のサービステクニックの研究である。いいサービスの店づくりから儲けるための店づくりである。 どの業種でもセールスは必ず必要である。では、どのようにお勧めすればよいのか。私はこの課題を徹底的に研究した。開業当時からこのセールストークを実施していたが、効果があったりなかったりで「どうもうまくいかない」状況であった。 料理長に「今日のお勧めは何ですか」と聞いても「みんなお勧めや」とつたない返事が返ってくるだけ。そこで私はセールストークを成功させる為に、スタッフ全員を巻き込んだQC活動のテーマとした。 ここに公開するのはテーマ「セールストーク」の研究記録である。1985年に発表して以来、全世界の総支配人会議で発表したなど業界では大変評価されたものである。 我々の主な仕事はお客様の注文された商品をサービスすることです。しかし、プロのサービスマンは、お客様の知らない美味しい商品をセールスすることも大切な仕事である。では、どのような商品をどのようなセールストークでお勧めすればいいかを、スタッフ全員で考えてみようということになった。 <セールストークによって考えられる効果> @お客様はこれまで知らなかった美味しい物を知り食事の楽しさを感じる。 Aウエイターはお客様とのコミニケーションが計れ接客技術向上やプロ意識が芽生える。 B会社は売上が上がる。 オープン以来セールストークを考え実施してきたが、ウエイターのプロ意識がなかった為、月によってバラツキがあった。上司からの指示でシェリー酒やチーズを販売しても、指示のあった月には売れるが、指示の無かった月には売れない状況が続いた。なぜだ。 <原因推測> @多忙時セールスする余裕がない。 A必要性を感じていない。(プロ意識の問題) B知識がない。(自信がない) これまでのうまくいかなかった原因をふまえ、どのような商品をどのようにセールスすればいいかを話し合った。 @自分が美味しいと思う商品。 A安価な商品。 Bお客様の好みの商品。 C旬の商品。 サービステクニックとして気をつけること。 @美味しそうに言う。 Aお客様の予算を考える。 B声をかけるタイミングを考える。 毎月セールスする商品を全員で話し合って選び、その商品のセールストークを決める。効果を確認するために統計を取る。目標は前年売上を上回る。 はたして結果はどうだったか?(セールストークその2へつづく)
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この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください。
2006年度再読