ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年

第二章 オリジナルマーケティング戦略

店づくり(教育訓練計画)

2001/6/27更新

身だしなみ

身だしなみとは、服装・髪やかたちや言葉・態度などをきちんとする心がけ。どなた様が見ても「いい感じ」という印象を与えなくてはいけない。レストランは食べ物商売である。一般的な身だしなみに「清潔感」を加える。

地方のホテルで働いていた時の話である。(1980年)

私の担当するレストランに新入社員の女の子で、髪を立たせ茶色に染めた子が配属になった。このような子がレストランに立っているだけで全員のレベルが疑われると思った。毎朝その子が出勤してきたら髪の毛を直すように厳しく言いつづけた。私の言う基準になっていなければそのまま家に帰した。

「身だしなみはお客様の為にするもの、オシャレは自分の為にするもの」と毎日教え続けた。1カ月言い続けたが、本人は私の言う本質を理解せずに「会社でいじめられている」と親に訴えた。親から会社に苦情が入った。

私は総務部長に呼び出されこのように言われた。「ねえ、少しくらいいいじゃないか」会社を代表する総務部長の言葉である。

勿論私は退職した。その後も優秀な社員が続けて退職した。サービスをする以前の問題である。このレストランの売上は語るに値しない。

身だしなみ基準を作るのは簡単である。全員に厳守させるのが困難である。入社の面接で身だしなみを厳守できるかどうかを確認する。できないと答えた人は他産業に勤めてもらえばいい。

そんなことを言えば人が集まらないならば、身だしなみ基準を変更すればいい。最も大切なことはそこで働くスタッフ全員が同じ身だしなみをしていることである。(全員が茶髪でムラサキのネイルをしていてもいいんじゃないの)

 

この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください。

2006年再読