ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

A 500室の巨大ホテル開業

2001/7/28更新

エイゴだめ 日本人観光客

日本のリゾートに行く道路が大渋滞している。退屈する若い女性に「遠くの日本より近くのグァム」と訴えかける。グァム政府観光局のキャンペーンコピーである。

日本の国内旅行をするより、グァムに行くほうが早くて安い場合がある。初めての海外旅行にグァムを指名する人も多い。

グァムの旅行はおおむね次のパターン。

・基本的には個人旅行だが旅行会社のパッケージツアーを利用する。

・会社の慰安旅行などの団体ツアー。

この人々の目的は何か。この目的に合った商品開発がリゾートホテルの命運を分ける。

グァムはフリーポートなので買い物客は多い。最近デューティフリーショッパーズは世界一の売り場面積になった。皆様、狂ったようにブランド商品を買いあさる。

マリンスポーツのイメージは強いが一部の若い人々を除いて少ない。グルメを満足させる味は存在しない。最近はゴルフ客が急上昇。私の赴任当時は3ヶ所しかなかったゴルフ場が3年後には7ヶ所に増えた。

日程はほとんどの方が3泊4日。確かにこの旅行代金は安い。(旅行会社の競争による)29,800円の価格が登場したのもこの時期。

しかし、滞在中の出費は決して安くない。その理由は、エイゴがしゃべれない日本人が自由に自分で動けないシステムになっているから。

公共の電車もバスもなく、外は灼熱の太陽が照りつける為、歩いての移動もできない。オプショナルツアーを買わなければ全く動きが取れない。

買い物客は市内観光に入れられている。マリンスポーツがしたい場合、送迎付きのツアーを買う。ゴルフも射撃もジャングルツアーもすべてオプショナルツアーである。

旅行会社は安くグァムに来てもらい、オプショナルツアーの手数料で儲けている。したがって、目的の多い人は当初の予算をかなりオーバーしてしまう。つまり予算オーバーしたエイゴのしゃべれない日本人観光客は食費を切り詰める。

ホテル近くのコンビニでハンバーガーを買い部屋で食べる。ホテルのロビーをピザの宅配便が横切る。これらはホテルレストランにとってとても嫌なこと。

よく日本の友人紹介のギャル達が私にたかりに来た。「私たちお金が無いんです」と言う手にはシャネルとヴィトンの買い物袋。

 

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読