ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

@ 海外リゾートマーケット事情

2001/7/21更新

旅行会社殿様時代

1991年現在、グァムには70万人の日本人が旅行する。そのほとんどが旅行会社のパックツアーや団体ツアーを利用する。

グァム3泊4日49,800円で全て込み。飛行機の往復正規料金が128,000円ではどう考えても旅行会社でしょ。

1980年代の話。日本からの飛行機が全て満席だと、ホテルの部屋が足りなかった。ほんとの話だが、グァムに到着されたお客様は、そのまま空港から飛行機を乗り継いでサイパンやロタに行かされた。(慢性的なオーバーブッキング)

その当時のホテルは殿様商売ができた。旅行会社は少しでも部屋のブロックが欲しい為に、ホテルの宿泊支配人にペコペコしていた。毎日、韓国カラオケクラブへのご接待である。

ホテルは何の努力をしなくとも客室稼働率が100%を超えていた。深夜便で到着のお客様から部屋代をもらい、深夜便で帰るお客様からも部屋代を貰う為である。

ぼろ儲けしたホテルは、まだまだ儲かるだろうと考え、次々にホテル増築や新築計画が発表された。営業中のホテルは新館やタワーを作った。大手資本の大型ホテルが次々と建設された。

やがて、飛行機が満席で飛んで来てもホテルの部屋が空いている状態となった。

旅行会社の皆様方にペコペコしないとお客様を送ってくれなかった。ホテルの人が旅行会社の人を韓国カラオケクラブでのご接待である。

各旅行会社に渡している宿泊ブロックが完売するのはお正月だけ。旅行会社はひたすら料金の交渉をする。安くしなければ玉は送らないよと言う。(玉とはお客様のこと)

ホテルとして部屋が埋まらないと、レストランにお客様は来てくれない。グループ客が来ないと宴会場が空いている。

このようにホテルオープン前に、ホテルにとって厳しい状況であった。まさに旅行会社殿様時代への突入である。

私は、このようにホテルにとって厳しい時代に突入した直後に赴任した。

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読