ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

@ 海外リゾートマーケット事情

2001/7/18更新

え!労働ビザがおりない

海外に働きに出る場合、その国の労働ビザの取得が必要である。実際に経験した事例をご報告いたします。

○○ホテルズ本社総務部から電話です。「あなたの労働ビザが下りませんでした」「え!労働ビザがおりない。なぜ?」私が申請した職種は飲料支配人(Beverage Manager)である。何で日本人がわざわざその職種で行く必要があるのか。アメリカにも失業者が多く、わざわざ日本人が行くこともないでしょう。却下。(推測)

「では、どうすればいいんですか」「再申請をしますが、アメリカは資格重視の傾向があるので、何か国家資格などないの」「え〜、そういえば今まで全く役に立たなかった西洋料理接遇サービス士1級があります」「他には」「え〜、文部省発行の学校法人非常勤講師の証かな」

この他にも色々言ったが、この2点がどうやら有効らしい。この証書を本社へ送り公式機関の英訳文を添付し再申請をした。

結果、E−one Visaという1回限り(出国後無効)のおかしな労働ビザしか貰えなかった。その後、現地でL−ビザ(会社内派遣ビザ)を再申請して3年間有効のビザを取得。再々申請で6年間有効となった。

労働ビザを受け取りにアメリカ大使館に行ったとき、多くの日本人がビザを拒否されている姿があった。「何でー」と言ってけんか腰になっている人もいたが、拒否されたらそれ以上の話にはならない。そこで終わり。

将来、海外勤務を希望する若い人へのアドバイス。ホテル内職種で労働ビザが貰えるのは日本料理勤務である。これは特殊職として簡単に取れていた。

私がこれほど苦労したビザ取得だったが、寿司職人は簡単にE−ビザ(ステータス高い)5年もらっていた。仮に私が日本料理レストランマネージャーで申請していれば簡単だったかも。(あとの祭り)

労働ビザとはその国でお金を稼ぐので簡単に貰えない。学生ビザは逆にその国にお金が落ちるので簡単に貰える。

どうせ海外で勝負するならお金を稼ごう。そんなに簡単に稼がせてくれないぞ。日本国内で実力を十分つけてからの海外勤務をお勧めします。

ちなみに英語は得意ではなかった。このどうにかなるという軽い気持ちが後のとんでもない苦労になるとは。

19991年6月25日大阪伊丹国際空港から1回限りの労働ビザを持ち、南国の楽園グァムに飛び立った。

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読