ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」 コラム
35才までに食べた美味いもの10選 私は美味いものを食べるのが何より好きだ。思い起こせば35年前、神戸にある「バラライカ」というロシア料理でフルコースを食べたことに始まる。 10年前の35才の時、グァムで日本の味を懐かしく思い、これまで食べたもので忘れられない料理を10品選んだ。 香港 福臨門 「ねぎ焼きそば」 九龍サイドの街中に、あわび料理で有名な店。香港では財布が空っぽになると恐れられている。そこの350円のねぎ焼きそば。ねぎ、もやし、麺だけの料理。これだけ食べに何年も香港に通った。 福岡 ふぐ幸 「ふぐ雑炊」 中州の奥にあるおば様だけでやっている「ふぐ」の店。最後に作られるふぐ雑炊は絶品。大阪で1人何万円も取られる店のふぐ雑炊をはるかに上回る。 東京 セゾン(帝国ホテル) 「仔羊のグリル」 何の期待もせずに訪れたレストラン「セゾン」。ここでいただいた「仔羊のグリル」は本当に美味かった。さすが帝国ホテルと見直した。 大阪 浅井 「蓮根饅頭」 大阪ミナミの法善寺横町にある「喜川」ののれん分け。なにわ料理というだけあった全く新しい日本料理をだす。10回以上訪れるがたったの1品もはずれたことが無い。この蓮根饅頭は不思議な魅力をもつ絶品。 パリ エスパドン(ホテルリッツ) 「手長エビのサラダ」 手長エビのサラダは好きでいろんな所でよく注文する。しかし、ここのは違う。素材の素晴らしさを完全に活かしきっている。 東京 弁天山美家古 「煮イカのにぎり」 浅草にある小さいすし屋。江戸前すしのクラシックと言われる。すべてのすしに手をほどこす。そのすべてに感動する。この煮イカのにぎりを食べると半年はすし食えない。 東京 レカン 「あわびのムニエル」 銀座の1等地にある高級フランス料理のレストラン。 博多 磯貝 「うに」 博多の住宅街にある小さなろばた焼きの店。いつも1時間は待たされる。すべて天然の魚介類を安価でだす。家族で切り盛りしておりサービスもすこぶる快適。うにが1箱600円。 東京 アルピーノ 「野菜のオムレツ」 かなり前、神田にあったフランス料理のレストラン。大渕シェフが無名の頃に食べた絶品。 大阪 屋台 「たこ焼き」 20年前に新大阪駅東口に屋台のたこ焼き屋があった。なぜ美味しいのかわからないが、胸をかきむしられるように食べたくなった。その後、何度も探したが見つからなかった。 この後、10年間も何を食べても感動することがなかった。もう感動するものにあえないのだと諦めていた。ところが、感動する料理が偶然あった。 45才からの美味いもの10選につづく。 |