ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年
2001/9/1更新
元祖ワープロ宿泊プラン 私がまだレストランで働いていた時の企画。職場にも家庭にもワープロが無かった時代。(1985年ごろ)当時のワープロは1番安い物で5万円くらい。 1枚の業務連絡が配られた。ワープロ宿泊プラン発売について。 内容は1泊2食のワープロ集中レッスン29,800円。お客様はお昼12時にチェックインすると、部屋の中に箱入り新品ワープロが置いてある。 それを持って宴会場でレッスンを受ける。午後2時から午後7時までイロハから教えてくれる。ホテル提供の夕食をとった後はそれぞれの部屋で自習する。 インストラクターは質問に備えて待機している。 朝、朝食をいただいたたら午前9時から正午まで集中レッスン。そして自分が使った新品ワープロを持ってチェックアウトする。 なんと、新品ワープロ付宿泊プランなのだ。 通常29,800円の価格ではワープロが持ち帰れるなど考えもしない。 この企画は、ワープロを学びたい人たちの予約ですぐに満員。企画日の追加、追加でもすべて満員となった。 若い人の為に判り易く言うと、ノートパソコンが持ち帰れて50,000円くらいのインパクトかな。 この企画の着眼点は、ホテル単体の企画でなくワープロメーカーとタイアップしたこと。お互いの利益が一致した。 メーカーは多少古い機種を無料で提供してもいい。1度使いなれたメーカーのワープロは、買い替えの時に同じメーカーを買うため。将来の潜在顧客発掘になる。 実は私自身がこの企画に自腹で参加した。その後も同じメーカーのワープロを3回買い換えた。 そして、この企画は日本経済新聞流通部門の年間最優秀企画で賞を受けた。 その後、日本全国のホテルで類似企画をやりまくった。(ホテルマンは物まね得意) 私はこのように素晴らしい企画を出した部署に配属されて武者震い。 次はお客様のアイデアで始まった素敵な企画を紹介する。
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この原稿は2001年作成
2006年度再読