ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年

2001/9/2更新

バースデー宿泊プラン

大阪ミナミのホテルが10周年を迎えた1992年。日本はバブルが弾けてホテルの業績も下降線をえがき始めた頃。(のぶおじさんはグァムで台風と格闘中)

アイデアの出尽くした企画部署の人は、お客様からアイデアをいただこうというアイデアを出した。

ホテル素敵計画とうたって一般の方々より、「あなたにとって素敵なホテルとは何ですか」と問いかける広告を出した。

応募総数は800通を超えた。やはり、お客様はホテルマンが考えつかない「素敵なホテル」にふさわしいアイデアが寄せられた。

最も評価されたアイデアは、バースデー宿泊プラン。

自分の誕生日にホテルに宿泊すると年齢分だけ割引になる。30才の方は30%の割引、60才の方は60%割引で100才は100%の割引でただになる。

あ、こんな簡単なことに誰も気がつかなかった。

本質は値引き企画になるが、値引きの理屈がいかにもオシャレ。まさにネタを探す新聞、雑誌が好きな内容。そして大きく取り上げられた。

この企画は、バースデー宿泊プランとして商標登録された。実際多くのホテルがものまね企画を発売し、日本全国へ広まった。(正確には同じような商品は発売してはいけない)

あるお客様が思いついた小さなアイデアが、日本中のホテルがまねする素敵な企画に成長した。

実は、この「ホテル素敵計画」の選考委員の中にまんぷく寺姉御がいたことを報告する。

このようにホテル企画のアイデアはどこにでも落ちている。前を見て歩いていたら気づかないことが、下や上や右や左を見ながら歩いてみたら落ちているのに気づくかもね。

次はホテル企画を考える為の基礎勉強。

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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