ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-

2007年6月12日更新 

独立秘話 その7

ある日、地方の立派なホテルの総支配人になっている先輩から電話があった。

「おい、誰か優秀なウエディングプランナーいないか」

私はすぐにその地方へ飛んだ!

総支配人様が出てきて、話をしたのがこのスペースでした。

   

ロビーにこのような広いスペースがあるのはうらやましい限りでございます。一角に婚礼関係のディスプレイがあるものの、普段は無料でゲストに開放している様子。

私は常に素敵に飾ったショールームがあれば、新規接客に有効だと訴えて参りました。このホテルでは、このスペースを利用すれば素敵になるかもと考えた。

「総支配人様、このスペースに我々のディスプレイをさせていただけないでしょうか」とお願いしてみた。

総支配人は「あ、いいよ」と簡単で心地よい響きの返事をいただいた。(人件費、輸送費、材料代など原価での受注)

イミテーションのデザートブッフェコーナーはすべて手作りでございます。

新宿本社の手作り工房で仕上げます。

このすべてが手作りで、一人のプランナーが何日もかけて作ります。

デザートブッフェのコーナーの完成です。

新宿のお菓子屋からマシュマロが消えたそうです。

テーブルセットも中途半端ではなくきっちりやりましょう。

 

この違いを理解いただけるでしょうか。ホテルの好きな方は、右の雰囲気がお好みでしょうね。結婚を考える花嫁候補生は左側を気に入ると思いますがいかがでしょうか。

おそらくこのホテルも団体対応などでこのロビースペースを使いたい時に、簡単にこのディスプレイを下げてしまうのでしょうね。

そしてディスプレイの価値を感じていないとすれば、二度と同じようなディスプレイは飾られないでしょうね。ここに婚礼特化型ホテル(婚礼で生きていく)との違いが出ると思います。

 

このホテルに限らず、このようなディスプレイを見ていただくと、皆様方は「ここは田舎だから」と必要のないように言われます。

「田舎だから」と言った瞬間に婚礼ビジネスの負け組みが決定します。どのような田舎に行っても午前8時には「とくだね」がテレビで見ることができます。この情報は毎日、全国に流されています。

もう情報が入ってこない地方などありえません。インターネットを見たら世界中の情報が入ってくるではありませんか。

私は日本全国、東京だと思っています。これが当社の婚礼ディスプレイ「リトル東京」の考え方でございます。

 

 

その東京から最新情報でございます。

ここは何屋さんでしょうか。ケーキ屋さんでしょうか?

 

 

 

実は花屋さんなのです。

プリザートフラワーの商品がショーケースに並べています。

ねえ、素敵でしょ。

 

ここは田舎だからと思っている皆様、東京にセンスを磨きに行きましょう。

東京には素敵なセンスが氾濫していますよ。

 

 

ディスプレイの仕事を原価で受注した私の事務所に電話が鳴った。

相当遠い場所に30年前に建ったホテルの総支配人からであった。

「来週、年に一度のブライダルフェアをやるから見に来ませんか。交通費も出せませんが。」

仕事を求める私は喜んで、自腹で飛行機に乗った。

 

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