ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-
独立秘話 その8
ディスプレイの仕事を原価で受注した私の事務所に電話が鳴った。 相当遠い場所に30年前に建ったホテルの総支配人からであった。 「来週、年に一度のブライダルフェアをやるから見に来ませんか。交通費も出せませんが。」 仕事を求める私は喜んで、自腹で飛行機に乗った。 羽田空港からかなり長い時間飛行機に乗っていた。飛行機を降りてバスで市街地まで1時間半もかかった。 そこからタクシーで30分走り、ようやくホテルに到着。 懐かしい雰囲気満載のホテルではありませんか。フロントで総支配人様を呼んくださいと依頼していたら、いきなりロビーの横で模擬挙式が始まろうとしている。
フロントカウンターの10メートル横にあるクリスタルチャペル 外光が入る明るいチャペルですが、何故か入場の時に背後からスポットを当てている。
好き嫌いは別としてしっかりとしたバンケットで婚礼セットになっています。 懐かしいと言う表現が正しいのでしょうか。
ブライダルフェアなのに人影はまばら。
料理のコースがすべて展示している。
やはりあった「尾頭付きのめで鯛」
スタッフ全員でブライダルフェアをやっているが、新規のゲストらしい人を見かけない。 総支配人様に質問した。「このホテルで1年間で何組の挙式をやっているんですか」総支配人様は「○○組です。」と答え、「あと○○組は欲しい」と加えられた。 私は、「え、そんなに少ないの、信じられない。」が率直な気持ちでした。 その原因を調べるべく、レンタカーを手配してマーケットへ飛び出した。
ゼクシィを買い、このレンタカーで競合施設見学の旅へ出て行った。 やはりあった、T&Gの施設。
2バンケット300組狙いの施設と思われる。
マーケットで一番組数の多いホテルのチャペル。 日が暮れても視察を続け、このホテルの不振の原因を探った。夜遅くホテルに戻ったが、私が見た限り婚礼組数が少なすぎる原因は探せなかった。
街の中にある互助会系結婚式場 次の日、私と婚礼担当スタッフが集まってミーティングを行なった。約3時間後にこのホテルの不振ポイントがわかってきた。○○と○○と○○を実施すれば、ほとんどお金をかけずに、次年度の予算の達成もお約束できます。 総支配人様に「お約束できますよ」という言葉を奉げてこのホテルを後にした。
常に一般客に開放しているクリスタルチャペル チャペルは開放してはいけない
東京に戻り、提案書と契約書を送った。 その後、何の連絡もなかった。(当然ながらすべての経費はジバラン)
つづく
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