ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜

2003年4月12日更新 

1000円台のランチの満足と不満足

ホテルのランチ料金で1000円台の価格が多く登場している。

最近、大阪市内の1000円台ランチを食べに2つのホテルを食べ比べた。満足度に大きな違いを感じたので報告する。

大阪市の中級ホテルK。ロビーラウンジとコーヒーショップを合わせたような雰囲気。1000円のランチを注文した。

内容はスープとサラダとエビフライ2匹とミニッツステーキ半分とポテトサラダとご飯とコーヒー。これで1000円の価格は気の毒に思えるくらいお買い得だ。

身だしなみのしっかりした若いウエイトレス4名が追われながら必死でサービスしている。(70席くらい)黒服は1名でキャッシャーも兼務している。

料理の内容や味はファミリーレストランレベルだが、サービススタッフの一生懸命働く姿は、ファミリーレストランのパートスタッフでは決して真似が出来ない。

「今日のスープはポタージュです」と言った初々しいサービスにも笑顔で「ポタージュですか」と答えてしまった。(スープは英語、ポタージュは同じ意味のフランス語)

支払いは1050円でサービス料の請求は無かった。又来てみようかと思った。

大阪市内の高級ホテルH。紙のクロスをかけたイタリアンレストランのパスタランチは1200円。内容はサラダとパンと日替わりのパスタ。

他に1600円と2500円のランチもあるがメニューを読んだ限り注文しようとは思わない。メニューの下に「ランチにプラス500円でコーヒーが付きます」と書いてある。

二人で別々のパスタを選び500円のコーヒーも注文した。サービススタッフは全員男性のギャルソンである。午後1時過ぎの客は1割程度で閑散としている。

パスタを持ってきたギャルソンは「○○パスタは?」とたった二人の注文も聞かなければ注文者の前に皿を置けない。一人が食べているのに皿を「お下げします」と平気で下げる。

下げながら「500円でコーヒーをお持ちできますが」とセールストークを述べる。「もう注文している」と怪訝に答える。

違うギャルソンが「500円でコーヒーを・・・・」と同じことを繰り返す。完全に頭にきた。

本日のパスタは「まずい」。本日のサービスは慇懃無礼。気分を害する客単価を上げるセールストークは全くの逆効果。

本日のパスタランチは1200円だが支払い合計は1955円となる。当然ながらサービス料10%が加算されている。

高級ホテルが客を入れる為に1000円台ランチを見た目だけ出す。闇夜に鉄砲的にセールストークを繰り返す。ほとんどの客がクビをかしげながら支払いを済ませ二度と来なくなる。

1000円でランチを出すなら小細工なしで勝負してみたら?

 

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