ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十一部 ダメ社長の挑戦 2007年〜

TAIAN 復活秘話 その4 2007/9/28

2007年9月26日(水曜日・大安)

新「TAIAN」は無事開業した。

基本的に宣伝広告は一切しない。WEBサイトを更新する程度。

(本音は広告を出す予算も無い)

 

本日、お越しいただいたゲストに全力投球して満足してもらう。

この方法しか飲食店の繁盛は無いと思っている管理人のこだわり。

 

ところが、開業初日からパニックに陥った!

ゲストの入客が重なり調理場が回らなくなってしまった。

満席にならなくても店が回らない時は入客をお断りする。

無理にご案内して苦情になるほうがゲストへの失礼になる。

久しぶりに体験するひとりパニックは、何ともいえない快感。

 

ちょっと、私の思いを書かせていただきます。

 

味に対するコメントについて

多くの皆様方から多くのコメントをいただきました。

私は自分が食べ続けてきて、私が美味しいと思う料理が誰でも美味しいとは限らないことを知った。

分かりやすく言うと、グルメを唸らす料理か、素人が喜ぶ料理かの選択が必要。

当然、グルメの皆様を唸らす料理など作れるはずが無い。

よって素人(一般的に外食する方々)が喜ぶ料理をしっかり作るしかない。

量は多いのか少ないのか、味は濃いのがよいのか、薄いのがよいのか、ワインを飲まれるかなどなど。

そして、そのゲストにとって美味しい料理が作れれば最高に嬉しい。

 

これまでブライダル屋として大きな仕事をしてきた。

ドレスを着る花嫁候補に「かわいい!」と言えば35万円の売上になる。

当然のように料理単価「15,000円が普通ですよ」と勧めていた。

「本物のシャンパンで乾杯しましょうよ」と飲料単価6,000円を貰っていた。

このビジネスに染まった自分に反省する。

「ブライダルを覚えたら、レストランはできないね」と言っていた自分がいた。

今回、料飲ビジネスを見つめなおして、原点から新たに構築したい。

1杯のコーヒーを入れて500円貰うビジネスから再スタートを切りたい。

自分で市場に買出しに出かけて、いい食材を使った料理を安く提供したい。

ワインも1本2,000円前後で出したい。

このようなこだわりを持って「TAIAN」を開業させていただきました。

 

いつまでこの気持ちが続くか、自信も保証もありません。

いつまで元気に料理を作れるか、体力的にも分かりません。

しかし、この「TAIAN」を開業した直後のコメントとして、ここに残します。

 

「いつも私に厳しいコメントをくれるゲストと長くお付き合いしたい。」

 

さて、こんな気持ちで、今日も店を開けるのであった。

素晴らしいゲストの笑顔に会えると信じて・・・・・。

TAIAN復活秘話 おわり

 

 

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