ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第六部 大阪ブライダルビジネス 2002年〜2003年
ホテルの激安プランを信じる花嫁 2002年8月のある日、28才の花嫁さんとお母さんが訪れた。 「ホテル○○○大阪に90%以上決めようと思ってます。こちらが何となく気になるのでとりあえず話だけ聞きに来ました」 ホテル○○○大阪では、50名で100万円のプランにするそうだ。そのプランには衣裳もメイクも引き出物も入っていない。 その全てを頼んでも150万円で自分の考える挙式とパーティの全てができると信じている。 私はゲストハウスウエディングを説明した。あきらかに、その花嫁さんの顔に迷いがでてきた。 しかし、その花嫁の興味は見積りの1点。 私は花嫁さんの話をよく聞き、あなたの思い描く挙式とパーティは、「ホテルプランの2倍以上の値段になります」と言って見積書を提示した。 その時「なぜ、このような値段になるのか」と質問して欲しかった。納得するまでご説明させていただくのに残念だ。 花嫁さんは考え込み悩んでいる。結局、そのまま悩みながら帰られた。 私は「一生に一度の自分の結婚式なので、自分自身で結論をだせばいい」と思った。 その夜その花嫁さんから電話があった。「友人が花屋してるので花を持ち込んでもいいですか」「それはできません」「この見積りの値段、もう少しなんとかなりませんか」「なりません」 この花嫁さんの不幸なところは、ホテルの激安プランで自分の挙式パーティが出来ると信じていること。そのホテルには何の質問も要望もしていないのだろうか。 凄いのは、このホテル人が、この花嫁さんに150万円で出来ると信じさせた事だ。見事なブライダルマジックです。 このホテル○○○大阪の50名挙式パーティの平均売上は250万円を上回る。(2001年度)どのようにすればこの金額になるのか知りたい。 実現不可能な激安プランで申し込ませて、2〜3倍に値段を上げる。このホテルが偉いのか、正直な値段を提示する私が馬鹿なのか。 このホテルの人たち、本当にやりがいを持って仕事しているのだろうか? 確か、このホテルの人から何通も履歴書がきていたな・・・・・。 追伸:結局、この花嫁さんからの予約はなかった。
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この原稿は2002年作成 2006年再読