ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-

2007年5月23日更新 

ゲストハウスWのノウハウ公開 その4

模擬挙式? まんぷく寺写真部撮影

模擬挙式や模擬披露宴をやっている。

私の経験を話します。大阪のゲストハウスをオープンして多くの新規で賑わっていた時に、あるエージェントからの提案で、模擬挙式と模擬披露宴を大々的に実施したことがある。

エージェントの雑誌で、一般公募で抽選とうたいながら、選別方式で40組80名を無料招待した。模擬挙式も、ウエルカムパーティも、フルコースのディナーも、飲み放題のドリンクも、デザートブッフェまで本番さながらの内容であった。

出席の半分は決まりますよと言うエージェントの言葉を信じて、精一杯の費用と人出をかけて実施した。しかし、たったの一件も決定したと言う報告を受けることも無く終わってしまった。

なぜ決まらなかったのかを考えた。

模擬挙式

私も何度も模擬挙式に出席したが、何の感動も無い。理由は知らない新郎新婦の挙式を見て感動するはずが無いでしょう。

自分の全く知らない新郎新婦のうその結婚式を見せられて何と思いますか。決してフォーマルではない格好のカップルの前で、結婚式をしているスタッフも首をかしげるでしょう。

全く意味が無いことに気づきました。

もし、模擬挙式としてやるならば、結婚を考えるカップルのためにリハーサル挙式をしてあげたらどうでしょう。当日担当する牧師が、一組一組に挙式の流れや意味を教えてあげるのです。

この実体験こそ、牧師の人柄やスタッフの振る舞いに、お二人を感動させることができるのではないでしょうか。

模擬披露宴

自分の全く知らない新郎新婦が行なう、模擬披露宴に出席して感動しますか。

そのような舞台を作って費用をかけて模擬披露宴を行なっても期待以上に決定しますか。

おそらく感動する料理が出せないから決まらないのでしょうね。大勢の前での試食会も、挑戦する調理場の心意気に反して「美味しくないわね」と逆効果になります。

やはり結婚披露宴は、感動すると思わない限り買ってもらえないのではないでしょうか。

模擬披露宴をするよりは、レストランにてお2人だけの婚礼料理試食会を随時実施して感動してもらおう。

私は、あの失敗以来エージェントの言うことを信用しないことにしました。感動を演出する場合、過去のイベントを忘れてから考えるようになりました。

結論 模費挙式と模擬披露宴はいらない。

その5につづく

 

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