ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第七部 外から見たホテルビジネス 2002年〜

2003年6月19日更新 

リゾートホテル大研究 久米アイランド その2

帰りたくなるリゾートの楽しみ方

私がグアム島でリゾートホテルに勤務していた頃、お客様は口を揃えてこう言った。

「あ〜、帰りたくない」

でも必ず帰らなければならない。日頃のストレスなどをリゾートに来て一気に発散するから帰りたくなくなるのだろう。

久米島のリゾートホテルのプールサイドにいた時、次から次へと水着の女性グループがやって来た。30分もプールに居ることなく、次のしたい事をしに場所を移動する。

久米島のビーチにいた時、これでもかこれでもかとビーチオプションを楽しんでいる。飽きたら足早に次のしたい場所へ移動する。

リゾートホテルは都会からのお客様の為に、数多くのオプションを用意している。どれもこれもやってみたい魅力的なもの。

しかしやればやるほどお金がかかる。

最近、リゾートで何もしたくない客層が訪れている。都会にいれば何かと忙しいので、家族(恋人)との対話を大切にしようとリゾートに訪れる。

家族で一緒にいることが目的なので、何もしないでも充分楽しいのだ。

何もしないでゆっくりとした時を過ごしていると、都会の生活が懐かしくなってくる。(おおげさですが)

「あ〜、あと何日で帰らなければならない」から「あと何日で帰れるな」と考えが変わってくる。都会に復帰した時にどちらの考えが仕事が楽しくなるのだろう。

おおむね欧米人のリゾートライフはこのようなものだ。日本もグローバル化して、いずれ何もできないリゾートがはやる時代が来るだろう。

そうするとリゾートのオプションを準備するホテルはたちまち困る。設備投資の機材や人件費の負担で経営自体が危機を迎える。

都会的なリゾートホテルや豪華絢爛なリゾートホテルがはやる時代は終わった。

これからのリゾートのあり方を見つけた。(つづく)

 

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