ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」   たべもんや三度笠 

 神戸北野 ステーキ 三田屋 2002/9/3

ステーキハウス 三田屋 北野坂店 078-222-0567

我々6名は神戸北野周辺をウロウロしていた。

「のぶおじさんこの辺で美味しいお店はどこなの」と聞かれた。

私が北野をブイブイいわせていたのは20年以上前の話。

阪神大震災後の北野は、その表情を一変させている。正直言って分からない。

ふと見ると「三田屋」という看板が眼に入った。

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20年前、偶然入った郊外のステーキハウス。

生演奏を聞きながら美味しいステーキを食べてすごく満足した自分を思い出した。

そのステーキハウスの名が「三田屋」と記憶している。

この店、レストランに能楽堂をもつ異色の飲食店だった。

確かあの時の店主は亡くなられたと聞いた。

その後の三田屋はどうなっているのだろう。

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「皆さん、ステーキでいいでしょうか。この三田屋はかなり驚きの店のはず」

皆様口を揃えて「いいですね、ここにしましょう」と入った。

平日の午後6時に60席の店内に客は2組4名のみ。

アルバイトのようなウエイターとウエイトレスの2名がサービスをしている。

オープンキッチンには笑顔のないコックが一人だけ。

「あれ、おかしいな」と思ったが後の祭りだった。

ディナーはコースのみで肉の種類が違うだけで2300円から9800円までの幅。

「この2300円のコースの肉はロースですか?」

「いいえ、ばら肉というかくず肉です」と言うウエイター。(食欲減退)

6名それぞれ好きなコースを注文した。

地ビールかグラスワインかジュースがつく。

他のドリンクはほとんど無くまったく気に入らない。

手造りハムの前菜。(薄いハムにオニオン和えを置いただけのもの)

トマトスープ(具が多い人少ない人。ファミレスの方がうまい)

煙の出ている鉄板を運んできて「レアーなので冷めないうちに調理して」と言われる。

ステーキは130gで野菜がほとんど。気を許すと野菜がマルこげ。

これにサラダとご飯とデザートかコーヒーがつく。

皆様、腹減っているのか腹立っているのか無言で黙々食べている。

私は心の中で「なんでこんなにつまらない店になったのだろう」とつぶやいた。

はっきり言ってお勧めした私は大恥じかいた。

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どうも納得がいかないので店においてあるマッチ、パンフレットなど持ち帰った。

びっくりした。

私の記憶にある素晴らしいステーキハウスは「三田屋本店」でまったく別会社。

この店は「三田屋」なのだ。

もう堪忍してよ。メニュー内容もほとんど同じで完全に騙された。

満足度は月とすっぽんですが。

それにしても「三田屋」の社長さん出すぎですよ。

マッチに顔写真、月刊「味わいの物語」に顔写真が2枚。パンフに顔写真。

加えて、月刊「味わいの物語」にオープンした店長のコメントがある。

「厨房をどこよりも明るく清潔に、厨房の中からニッコリ笑顔で

お客様をお迎えする店になりなさい」という社長の期待に答えたいと思います。

と書かれています。スタッフの皆様が客でなく社長に向いている証拠。

少なくともこの北野坂店で受けた接客はこのコメントと全く逆。

神戸北野というオシャレな一角にディナーで10名の営業がその証拠。

前略、三田屋の社長様。

自分が出る前に、お店の隅々までチェックされたし。

 

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