ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

H リゾートビジネス 私のアイデア

2001/8/26更新

移動旅行から滞在旅行へ

これまでの旅行は、せっかく行くのだから多くを見て回りたい。とても疲れる。もう行かない。

もうお分かりのように、世間では旅の傾向が滞在旅行に変わってきている。日本人独特の滞在旅行の体験をお知らせします。

フランスではバケーション法があり、年に半月から1ヵ月は休暇を取る事を法律で決められている。主に夏を中心に都会で働く国民全員が1ヶ月位の休暇を取る。

高級リゾート地ニースのネグレスコホテルでの話。プライベートビーチには多くの人がビーチチェアに寝そべっている。これが、朝から夕方まで夫婦でも一言もしゃべらない。トドのように寝そべっているだけ。

私は身分不相応ながら、フランス人ブルジョアの皆様に混じって滞在リゾートを体験した。30分で誰かとしゃべりたくなった。隣の人に話し掛けると迷惑そうに静かにしろといわれた。

日本人は、朝から夕方まで何もしないでごろごろすることはできない。つまり何もしない滞在型リゾートは耐えられない。

これからの日本人滞在リゾートは、そこに滞在して何かをする(習得する)である。

これまでの成功例で言うと、そのリゾート地に滞在してスキューバーダイビングの免許を取る。日頃忙しい皆様に、日頃できないカルチャーを習得してもらうである。

日頃、忙しい皆様が、リゾートホテルに滞在して学びたい事は何かを考える。これが、今後の滞在型リゾートの生き残りキーワード。

私なら、禁煙できるまでチェックアウトできないツアー。ゴルフで100を切らなければチェックアウトできないツアー。

ダイエットがしたければ、自分の目標体重にならなければチェックアウトできない。パソコン講習、病気を治す、陶芸を学ぶなどいくらでもネタはあるはず。

ホテル料飲としては、お客様が色々な目的で滞在していても飽きさせない食事を提供すればいい。レストランが一カ所しかなくても、日によって中華の日、和食の日と変えればいい。

お客様が何日滞在しても、来てよかったなと思う演出を考える。その演出に合わせて舞台を整えていくのです。

リゾート地の観光名所は1回来れば飽きる。リゾート地に滞在する何かの価値があれば必ず再来する。

 

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読