ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

H リゾートビジネス 私のアイデア

2001/8/25更新

団体客から個人客へ

特にグァムに限らず一般的なリゾートビジネスを考えた。

これまでの旅行の主流は、募集ツアーを含めて団体客が多かった。これからは、旅行会社に手配をお願いするにしても個人客が増えてくる。

私も過去に何度も社員旅行などで団体旅行をした。旅行後の満足感はほとんど記憶していない。

ホテルや旅館にとって団体客は食事スケジュールなどが決まっていて楽だ。旅行会社やホテル旅館の大きな収入源であった。

この団体客を対象に作られたホテル旅館は苦戦。あの有名リゾート地、熱海の現状を見れば分かる。

私がパリのホテル内、フレンチレストランで働いていたときの話。100席のレストランは予約で満席。予約のすべてが複数の日本人団体観光客。(ミシュランの1ッ星ですよ)

募集ツアーのグループは団体で、ロンドン・ローマ・パリを回って最終日にレストランに来る。そのほとんどの皆様が怒っていた。「なんで日本茶を出さないのか」「なんで西日がまぶしいのか」「こんなメニューは欲しくない」などなど。

一見VIPの紳士が、何でもないことで怒っている。なぜ、皆様怒っているのか。それは疲れているから。そりゃ皆様一緒に駆け足で観光地を見て回るのだから、精神的にも肉体的にもつらいでしょうね。

つまり、団体旅行では個人のニーズを満足させることができない。よってお客様の満足度が低く繰り返し利用する顧客にはなりえない。

家族水入らずで旅行した人が、次は団体で行きたいとは思わない。

今、1年中団体客で満員であっても、必ず団体客は減ってくる。団体客オペレーションしかできないホテル旅館に泊まった人は相当がっかりする。それは、ホテル旅館の都合を押し付けられるから。

これまでの説明でお分かりかと思うが、私の戦略で団体客を対象にした物はない。あくまで自分でお金を払う個人客対象。

では、個人客のリピーターをつくる為には何をすればいいか。お客様ごとに、きめ細かなサービスを提供するスペシャリスト部門の設置。

それは個人旅行を親切にサポートするコンシェルジュです。(名前ではなく機能)

個人で旅行して「ホテルのいい人」にめぐり会えた。自分たちを大変親切にしてくれる人がいるホテルへは又行きたくなる。

団体はおいしいと思っている人は、今すぐ個人客に満足されるにはから改革されたし。

団体客を待つのぶおじさん ホテルニッコードパリ セレブリテにて

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読