ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

F トモダチは現地スタッフ

2001/8/16更新

あなたの笑顔はサービス料

グァムはアメリカなのでチップの習慣がある。だが、お客様のほとんどがチップの習慣のない日本人。

以前からこのギャップに対する議論があったと聞く。ようするにチップを払わないお客様が多くて困っている。

長い間議論され続けたこの難問をいとも簡単に解決した方がいる。あの上司です。

我々のホテルは初めて日本式に宿泊料金に3%と料飲施設利用に10%のサービス料を自動的に徴収した。お客様からの苦情は全くない。(日本では普通だから)

頂いたサービス料は全スタッフに分配される。職種やタイトル別にサービス料ポイントを社員会で決めた。やはり、レストランサービススタッフのポイントは高い。ハウスキーピングのポイントも高い。

通常ではチップが入らないバック部門や調理場へもポイントが与えられた。これが離職率が高いといわれるホテル業界を変えた。

レストランのサービススタッフは、ほぼ給料額のサービス料がもらえる。営業成績がいいと収入がみるみるよくなるので、よく働くサービススタッフが集まる。

彼らは忙しいほど「笑顔」で仕事する。普段なにかと不満が多いスタッフでも、多忙に対する苦情は一切なし。

ホテルが忙しいのを歓迎する。暇だとふてくされた態度になる。

彼らに日本のホテルではサービス料がスタッフに還元されないと言うと「アンビリーバボ」と言って信じられないと驚く。

中国料理のスカイレストラン(撮影・管理人)

 

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読