ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第二部 グァム海外リゾートホテルビジネス 1991年〜1995年

A 感動のリゾートとは

2001/7/31更新

私のグァムは最高よ

リゾートの演出はお客様の気持ちを理解すること。このような考えでよくオプショナルツアーに出かけた。正直言って実につまらなく思える。これは現地に住んでいるためにそう思うだけだが。

私が演出する感動のグァムツアーを考え実施した。日本から事前に「友人なのでお願いします」や「うちのホテルの顧客なので」というお客様が多く訪れていた。

空港にはホテルのリムジンでお迎えに上がる。混雑する空港ロビーに出てこられたらすぐにリムジンで直接ホテルへ。ルームキーは当然だが私が持っておりフロントに寄らずにダイレクトチェックイン。通常より2時間半の時間短縮。

買い物ツアーは「何を買いたいか」を伺い、最も短時間で効率よく買えるスケジュールを組む。市内観光の買い物ツアーより5時間短縮。(私が案内すれば大幅値引き特典)どんなに多くの買い物があっても2−3 ヶ所の免税店やショッピングモールを回ればよい。

ゴルフは自分の車で直接案内。キャディがいないのでカートの運転やキャディ業務、自前のクーラーにドリンク山ほど。18ホールを続けて回ってお食事しても、昼過ぎには帰ってこれる。私は1年で200回ゴルフをした年もある。(疲れまんがな〜)

これにより自由時間が生まれる。アフターファイブも特別コース。白人しかいない町場のバー、日本人のいないビーチバー、ジャングルの中にある生演奏付ジャングルバーなど。

仕上げはグァム一番のディスコ。多くの人が入り口で並んでいるのをリンカーンコンチネンタル(ホテルカー)で玄関に乗り着けキーをほり投げるバレーパーキング。VIPカードを見せて専門のエレベーターで誰もいないVIPルームでおくつろぎ。

朝からお客様とスーパーに出かけバーベキューの材料を買う。誰もいないビーチでセットアップ。ビーチパラソルを開き、ビーチチェアのセット。お飲物はクーラーにお好きなものがお好きなだけ入っている。炭を熾してバーベキューで昼食。 食後は透明な海に入りシュノーケルで綺麗な熱帯魚にえさをやる。

これらの演出を行う為に私の愛車ヴューイックのトランクはビーチグッズが山ほど入っていた。グァム島一周ツアーも100回以上になる。

お見送りの空港ロビーでは皆様本当に感動されていた。感謝されてお客様をお見送りしたのち、走って到着ロビーでのお迎えがある。これが午前3時の深夜便では辛いものがありますが。

私がケアーしたお客様は皆様、感動して帰られる。それ以後、グァムファンになられ何度もリピートされる。その都度、ご指名がかかる。これらのお客様がホテルに支払った金額は年2千万円は下らない。

これらのお客様は、決して安いから行こうとは思っていない。正規料金を払ってまでも行こうと思っていただいている。旅行会社のスタッフがお客様のことを玉と呼ぶ。とんでもない勘違いである。

リゾートホテルは、お客様の楽しみを演出しなくてはならない。私はこの個人的なケアーをベースにホテルレストランの営業を考えるようになった。

それは、個人的な演出ではなく、ホテルの経営と両立させる為に。

いつものように上司が叫んでいる「おい、あいつは何処に行った?」

 

この原稿は1995年作成、時代錯誤のご理解をお願い致します。

2006年再読