ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第六部 大阪ブライダルビジネス 2002年〜2003年

2003/6/19  更新 

関西のホテルブライダル事情2003 その3

最近、結婚を考えるカップルは正装をしてホテルのブライダルフェアーに訪れるだろうか?

20年前のホテルは正装のカップルしかいなかった。いったい何故なのか?

私が初めてホテルのメインダイニングで食事した時、ハーフのワインは黙って5000円とられた。(当時の時給は200円)

私が修行した神戸のホテルでは、120gのヒレステーキが8000円。(当時の時給は350円)

要するにホテルは特別の場所であった。一般人にはホテルで食事をするなど考えられなかった。

ところが最近の若い人は、小さい頃からホテルを利用している。ホテルで食事をすることも日常生活の中に入っている。

もうホテルは、結婚を考える二人にとって特別の場所では無くなっているのだ。だから、ホテルのブライダルフェアーに軽装で出かけている。

このように若い人のホテルに対する考え方が変わっているのに、ホテルの人はいまだに「ホテルだから」という意識が蔓延している。

正装で行われている披露宴出席者の中を、軽装の若い人を案内しながら現状に疑問をもっている。

結婚式を獲得する為に、自分の「ここはホテルだぞ」という気持ちを殺して接客している。

ホテルブライダルの生きる道は、「ホテルは特別」と思わない若い女性達に全てを託すことではないだろうか。

ホテルカテゴリーに属さない「スペシャリストブライダル集団」をホテル直営でつくるのだ。

昔ながらのホテルマンは、彼女達がやりたいようにバックアップしてあげるだけでいい。

いやいや働く頭の固いホテルマン一人の人件費で、フレッシュな力が二人は雇える。

これが私がホテルの外から見た「関西のホテルブライダルビジネス」再生の結論である。

何度も言うが、この提案は評論家的な考えではない。私自身が実践してブライダル勝ち組にいるから言えるのだ。

この結論を持ちまして「関西のホテルブライダルビジネス」を終えさせていただきます。私はすでに東北地方のブライダルマーケットに挑戦を始めている。

2003年6月19日大阪にて(完)

 

この原稿は2003年作成 2006年再読

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