ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第六部 大阪ブライダルビジネス 2002年〜2003年
ご新郎ご妊婦様のご入場です 2002年10月号の関西ゼクシィにおもしろい提案を発見した。 大阪市内のあるホテルのページに「挙式1年以内にベビー誕生ならホテルからお祝い金10万円!」という内容。 詳しく内容を見てみると「10月11月限定プランと来年1月2月限定プランに適用」と書いてある。 要するに「できちゃった結婚」のカップルに、予約が入っていない月限定で10万円をプレゼントする内容。 それにしても8月23日発売のゼクシィに10月11月が対象とは無理がないか。 この広告を見て挙式・披露宴をこのホテルに決めようとするカップルがいるのだろうか? このホテルの来年3月までのプランは40名88万円という捨て身の価格。このプランは10万円プレゼントの対象になっていない。 おそらく10万円プレゼント対象のプランは40名88万円プランより10万円以上高いプランになっているのでは。(そんなに単純ではないのかも) この素敵な提案とは別に、ホテルのセールスポイントが書いてある。 スタッフの対応力で輝く1日に!「シャ○○ウエディング」を提案。これはパックプランでなく、みんなの笑顔が輝く結婚式を作るための合言葉。型どおりで物足りないカップルやこだわり演出がある場合にもぴったり。 ガーデンを使った演出や、オリジナリティあふれるプログラムも相談しよう。 このセールスポイントはいいのだが、その横に激安プランのオンパレードが掲載されている。その上に挙式13万円→6万5千円、衣裳32万→22万5千円、写真7万円→4万円とバーゲンセール表現。 このホテルは9月8日(日)にブライダルフェアーをしていた。フェアーに行ったカップルが「フェアーに行ったのですが、人が多くて話もしてもらえませんでした」と言っていた。 「矛盾ある提案」を信じて、大阪のカップルは沢山行くんだ。 話も聞いてくれないほど多くのカップルが来るブライダルフェアーなのに、トップシーズンの10月11月の予約がなぜ空いているのだろうか。 どのような素敵な提案をしても、素敵な写真を載せても、お二人の願いをすべて叶えますと書いても、スーパーディスカウントを出しても予約が入っていない。 大阪のカップルも、そろそろ激安プランに対する免疫が出来ているのかな。 死ぬほど接客に追われたホテルマンは、仮予約や成約の数字を見て疲れが取れるのだろうか。 私はお祝い金10万円が出る披露宴を見てみたい。「皆様、大変長らくお待たせいたしました。ただ今より、ご新郎ご妊婦様のご入場です」と始まるのだろうか。
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この原稿は2002年作成 2006年再読