ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第四部 東京お台場アーバンリゾートホテルビジネス 1996年〜1999年
2001/10/8 更新
毎日はじめましてのコーヒーショップ 1996年のゴールデンウイークまであと5日となったある日。「コーヒーショップをオープンさせてくれ」と言われた。 104席のコーヒーショップを訪れた。少ない人数でバタバタ準備している。 「すいませんが、ここの社員はいますか」と聞いたところ「はい」と30才くらいのH君が名乗り出た。「社員はあなただけですか」「はい」 他のメンバーは全員配膳さん。全員を集めて挨拶をした。「はじめまして、皆さんの力を借りてオープンさせたいと思います」皆さん「よろしくおねがいしま〜す」だった。 次の日にヘルプに入る配膳さんは全員別の人達だった。皆さんを集めて「はじめまして・・・」 その次の日も全員別の人達。さすがにこれでは教えるだけ時間の無駄。配膳事務所にメンバーを固定してくれるように依頼した。 「超多忙な異常営業が続くレストランにすすんで行きたい人など誰もいませんよ。一日だけ頼むよと言い聞かせて行ってもらっている」と言われて納得してしまった。 おそらくオープンすれば朝から夜までずっと満席が続くだろう。毎日メンバーが違う状況でどうすればいいのだろう。 ホテルのコーヒーッショップではなくデパートの食堂をイメージしてメニューを作った。 ハンバーグ定食、エビフライ定食、ステーキ定食、ビーフカレー、ピラフ。値段は1,000円から2,000円までとした。(朝食営業は除く) メニューもワープロで手作りしてビニールカバーに入れて玄関に出してやった。 オープン当日の朝礼「皆さん、はじめまして。今日だけ頑張ってください」と言った。午前7時にオープンした。 唯一の社員H君はデシャップを仕切る、私は玄関を仕切る、あとは適当にやってくれ。おおむねこのようなオペレーションであった。 私としても6年ぶりの玄関業務です。予想どおり朝から満席で夜9時の閉店まで2時間以上の待ち時間がでて、相当厳しい言葉で苦情を言われた。 そして私とH君は食事を全く取れなかった。玄関を10分も離れることが出来なかった。さすがに駅から寮まで徒歩6分の道を足を引きずりながら20分もかかった。 次の日も「はじめまして」の朝礼を行い、飲まず食わずで苦情山ほど営業が続く。そのうち、日本全国からヘルプが来てくれて食事が取れるようになった。 そして1週間のゴールデンウイークを無事終えた。売上は1日平均250万円であった。(ガク)
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この原稿は2001年作成
2006年再読