ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第四部 東京お台場アーバンリゾートホテルビジネス 1996年〜1999年

2001/10/4更新

全レストラン2時間待ち

このホテルの各種レストランと席数を紹介する。

コンチネンタル49席、日本料理70席、すし11席、鉄板焼32席、ブッフェレストラン128席、中国料理140席。合計するとたった430席で、約300名入ると満席状態。(4名席を2名で使うなどの理由から)

開業当時、客が来ないという理由からコーヒーショップはなかった。

私が赴任した直後、食事を求めたお台場観光のお客様が毎食時20,000人以上ホテルに入っていた。

お台場のビーチ(遊泳は禁止)でひなたぼっこに来た人。テレビで話題のお台場を見に来た観光客。オープン景気に必ず訪れるホテルファンの皆様方。

 

このときのホテルロビーは、ビーチサンダルにタンクトップ半ズボンの人たち。何百ものベビーカーを押す家族連れ。逆に運転手付きで訪れるVIPゲストも大勢。

このホテルのキャッチフレーズは「ブレザーで楽しむ東京バルコニー」だが、完全にどこかの観光施設になってしまった。トイレは常に長蛇の列。

レストランをオープンした瞬間に満席となる。レストランに入れなかった19,700人は、次から次へとレストランを訪れ「席ありますか」と繰り返さなければならない。

どのレストランでも「2時間以上お待ちいただきます」と言われる。お腹がすいた皆様は、この現状を前に怒鳴りまくっている。トイレだけでも使えないかと泣いている人もいる。

ゆりかもめに乗るまで1時間待って、やっと着いたら食事もできない。全員が空腹と疲労と怒りを何の罪の無いホテルマンにぶつける。

ホテルにとって重要なお客様を忘れていませんか。ホテルに泊まっている人たちへの食事提供はどうするの。ホテルの部屋数は490部屋、シングルルームがないので約1000名のお客様が泊まている。

ずいぶん前から苦労してホテルの予約を取り、すごく楽しみに来られた宿泊客はどうなってしまうのだろうか。(つづく)

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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