ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」 コラム

テーブルマナーについて 2001/8/23 

今回はテーブルマナーについて意見を書かせていただきます。

私もテーブルマナー講師として多くの学生さんにマナーを教えた。でも、私のテーブルマナー講座は「○○するべからず」を一言も言わない。

ほとんどの方が、学生のときにテーブルマナーを勉強したと思う。その内容を覚えていますか。

日本で教えられるテーブルマナーは基本的にイギリス王室のマナーです。誰がイギリスの王室で食事をするのですか。

地方のホテルでは毎週末、国会議員の先生が出席する結婚披露宴があった。その先生のサービスを担当していて、テーブルマナーを知らないのかと思える振る舞いをされる。

国会議員の先生は何名も来られたが、テーブルマナーを知っている方はほとんどおられない。その知らない代表格の先生が内閣総理大臣になったからこれまた不思議。

大声でしゃべってはいけません、音を立ててはいけませんなど「べからず」の羅列。このような教え方をすると「フランス料理は堅苦しくて、何を食べたかわからん」となる。

フレンチレストランを担当しているとき、お客様から「マナーを知らないので」とよく言われた。私は「お客様は日頃、お口で食べられますか。それだけで十分です」と答えた。

またこんな経験もした。ヨーロッパ横断鉄道の食堂車にて、アメリカ人ギャル・イラクのインテリ女性・フランス人オフィイスレディと合い席で食事をしたことがあります。

食事の内容はチーズもでる本格的なコースでした。そのテーブルは大変なごやかな雰囲気でとても楽しめました。

ただナイフとフォークの使い方や、終ったときのそろえ方など全員がばらばら。日本式マナーで言うと全員失格。

私は質問してみました。「皆様の国にはテーブルマナーというものがありますか」と。他の3名の女性は口を揃えてこう言いました「勿論です。今日もマナーどおりに食べました」

そうなんです、何も気を使いすぎることはない。いつでもどこでも食べている食べ方が世界に通じる国際マナーです。 おはしを使えない外国人を笑えますか?

ヨーロッパ横断鉄道の食堂車 イラクのインテリ女性

もしイギリス王室で食事することがあれば別途ご相談ください。

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