ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年
2001/9/15更新
婚礼百選アイデア連発 私はホテルの婚礼を売るべく、自分へのテーマを決めた。 「婚礼百選」を考える。つまり百種類の結婚披露パーティの商品を考えた。 アイデアはいくつあってもいいが、販売されなければ意味が無い。このスペースでは百種類も紹介できないので代表的な販売された企画を紹介する。 当時の料飲部長から相談を受けた。「ゴールデンウイークは婚礼が売れない」と。売れない原因は皆様が旅行に行っているので招待しても来てくれないと思っていること。 当時の旅行白書では、ゴールデンウイークに旅行に行く人は全体の20%だけとある。つまり、旅行に行きたくてもいけない人が多いということ。 ホテル客室のゴールデンウイークの稼働率を調べた。シングルルームがほとんど空いている。 旅行に行きたくても行けない人に、結婚披露パーティに出席することで大阪旅行をプレゼントしようと考えた。 名づけて「OSAKAバケーションウエディング」だ。披露宴出席者全員にホテルの部屋が無料で提供される。 結婚するカップルをお祝いしたら、ホテルに泊まってOSAKAバケーションをエンジョイするプラン。 ゴールデンウイークが売れないからといって、料理の割引など言っても全く意味が無い。ホテルの部屋が無料で付いてきますと言われたほうがインパクトは強い。 売値にしたら100部屋で200万円位の価値観があるではないか。 どうせ空いている部屋を無料で提供しても100部屋で20万円くらいの経費。20万円以上の割引などいつでもしているではないか。 1996年に、この「OSAKAバケーションウエディング」が発売された。そして、ゴールデンウイークの婚礼が飛ぶように売れた。たったこれだけの仕掛けで本当に売れたのです。 この手の企画を販売するコツは、現場の人たちの仕事を極力増やさない。宴会予約や宴会サービスの人がじゃまくさい(関東ではうざったい)と思えば企画反対と言ってくる。
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この原稿は2001年作成
2006年再読