ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年
2001/9/7更新
日曜推理劇場宿泊プラン 私が提案した数々の宿泊プランの中でやってみたかったものを1つだけ紹介する。 企画書のタイトルは「日曜推理劇場宿泊プラン、ルームサービス朝食付き」です。 私が企画を担当したホテルの年間稼働率が90%を超えない。その原因は、日曜日の稼働率が平均50%だから。日曜日にいくら割引企画を出してもホテルの立地などの問題からお手上げ状態。 まず企画段階の内容から。 日曜日に泊まられているお客様は、午後9時にホテル専用回線にてテレビで上映される「推理劇場」を見る。 犯人は誰だという前にテレビ放映は終る。お客様はルームサービスのドアノブメニューに犯人と明日の朝食オーダーを記入してドアノブにかける。 ルームサービスのスタッフは30分以内に各部屋からメニューを回収する。約1時間後に再びテレビで犯人をお知らせする。 次の日の朝食でルームサービスがやってくる。正解者の部屋には次の日曜日で使える「名探偵無料宿泊券」が付いてくる。この内容で毎週続ける。 しかし、これだけでは提案できない。それは、推理劇場の放映で著作権などの問題が生ずる為である。 よって最終的な提案は「日曜クイズ劇場宿泊プラン」。 企画内容の変更は、テレビ画面に文字だけのクイズが10問流れる。お客様は○×で答えをドアノブメニューで答える。 次の朝、ルームサービスは正解の数だけの割引券を持ってくる。1問正解は10%割引券。5門正解は50%の割引券の提供。 この変更のポイントは、クイズの難易度をホテルがコントロールできる。よって、最初は全員無料にし、次第に難解になるなど自由自在。 ホテルの宿泊原価はいくらかご存知ですか。90%割引で販売しても損はしない。どうせ半分しか部屋が埋まらないのであれば半額以下の料金でもいい。 この企画の狙いは、日曜日に泊まることが出来る人に、次週も泊まれるお誘いをするだけ。たいして経費もかからないのだが、「じゃまくさい」という理由から却下された。
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この原稿は2001年作成
2006年再読