ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年

2001/9/6更新

宿泊プランのヒント

私は宿泊企画に関するアイデアを数多く提案した。そのほとんどすべてが却下された。

理由は割引券を配る以外で手間の掛かることはやりたくないから。実際に宿泊部は忙しい。日頃のオペレーションもままならないのに手間のかかる企画なんてもってのほか。

過去の記憶では宿泊がらみのプランは、曜日限定割引、レディース限定割引などすき間を埋める割引戦略が多いということ。

割引なしで泊まっている人も限定されていれば自分に「資格」がないと納得する。

割引券も表向きは限定された人に配られる。クレジットカードの請求書に同封されたり、近隣企業へ持参したり、ホテルの顧客に送ったり。その数毎月○万枚。

やがてその割引券が1人歩きして、ディスカウントショップで1,000円で売られるとは考えてもみない。長い目で見るとやや危険かなと思える。

確かに客室稼働率は上がった。年間でも85%〜90%を維持していたので無理に企画を押し通すのをやめた。

これまでの宿泊部は売上と客室稼働率で評価されていたが、現在は客単価を含めたイールドによる評価になっている。(他のホームページで詳しく書いておられます)

今後の宿泊プランのヒントについて考える。会社のお金で宿泊をする人に、個人に還元するオシャレな仕掛けを考える。

先輩が総支配人を勤めた海外ホテルでの話。外資系のホテルが近所にあったが、どうしてもそのホテルには勝てなかった。理由は、そのホテルは出張族にポイントを加算して、そのポイント分を家族のバケーションで使えるようにしているから。

割引をするならお金を払う会社にではなく、泊まった本人に割引額をプレゼントする。

航空会社のマイレージサービスもこの考えです。ワシントンホテルのポイント還元額が17億円を突破しました。全くこの考えです。

せっかくなので私が考えた(却下された)企画を1つだけ紹介いたしましょう。(次のページで)

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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