ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年

2001/9/4更新

数字を眺めて現状分析

私が企画部署に配属になって1番最初にしたことは数字を眺めたである。

おおむね過去3年間のホテルの売上と経費の実態を知る為に、数字とにらめっこした。これらの数字を把握せずに企画を打つことは闇夜に鉄砲を撃つようなもの。

例えば、客室稼働率を月ごと、週ごと、曜日ごとに分けて調べる。すると、何月の何曜日の稼働率が低いと見えてくる。あるいは、高稼働なのに売上が低いなども見えてくる。

宴会も同様な方法で調べる。婚礼件数と平均列席者数と客単価などを調べていく。クリスマスディナーショーやお正月の縁日など細かくチェックしていく。見落としがちなのが経費の確認。

宴会は売上金額も大きいが経費も大きい。売上が上がったのに儲けの無い場合もある。だったらやらないほうがいい場合もある。

レストラン&バーも好調なレストランもあれば不調なレストランもある、数字からその原因を探っていく。

これを、ホテルの現状分析という。現状がわからなければ効果的な企画など生まれるわけが無い。

ホテルには年間予算がある。現状分析から得た数字と売上予算を比べれば、何をしなくてはいけないかが見えてくる。

売上の落ち込んでいるポイントに的を絞り、効果の確認ができるような企画を考える。

私の経験から企画は必ず効果の確認ができるようし、それを記録しておく。企画マンとしての実績を残しておかないと会社からの評価も残らない。

企画部署にも年間使える予算がある。この限られた予算で最大の効果を生む企画を考えなければいけない。

例えば、電車に吊るす中吊広告はとても高い。(100万円以上)だが、それを見てきたかどうかの効果確認ができない。だったらそんな高い広告などやらない。

私はこのように現状を分析し企画を考え始めた。そこに営業部から宿泊50%割引券2万枚の印刷依頼が来た。なんだか、おそろしいことになりそうだ。

次からは企画の実際に入ります。

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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