ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第三部 大阪ミナミホテル企画ビジネス 1995年〜1996年

2001/9/3更新

ホテルは箱と時を売る

私の先輩方はホテルのことを「箱を売るビジネス」と言っていた。

ホテルの企画はこの「箱」と考えると分りやすくなる。部屋という箱、宴会場という箱、レストラン&バーという箱を売る。

私はホテル企画はハンデがあると考えている。製造業で生まれた商品は、いつでもどこでも売り込めるので、売上は無限に上がる可能性を秘める。

しかし、ホテルは限られた箱を今日だけ売るビジネスであり、すべて完売して終る。

グァムにいた時、お客様が多い時期に航空会社が臨時便を飛ばしてきた。ホテルは臨時部屋を用意することができない。お客様があふれてもホテルが満室になれば指をくわえて見ているだけ。

例えば、ホテルの部屋を毎日満室にしたい。お客様からの予約だけでは満室にできない。よって多少割り引いても部屋を売ったほうがいいと考える。

新聞広告に割引商品を出せば大きな効果になるが、通常料金で泊まる人にばれて、将来的には自分の首をしめることになる。

あれこれ考えていると「今日だけこの箱を売る」為の企画は難しい。1995年当時もホテル企画のアイデアは出尽くしたと思われていた。

ところが、私はホテルビジネスのあるキーワードを発見した。このキーワードを頭に叩き込みアイデアを考えた。

出てくる、出てくる。不思議なほど簡単にホテルビジネスのアイデアが浮かぶ。

おそらくこのキーワードに気づいているホテルマンは10%にも満たないと考える。ただし、このキーワードに気づいただけでは企画にならない。

企画を提案してから発売するまでにはかなりの力を必要とする。(第三部終了までには習得できる)

本当に申し訳なく思いますが、このキーワードをここで教えるわけにはいかない。もうすこし我慢してまんぷく寺を見てください。ヒントが落ちてますから。

次は数字による現状分析を考える。

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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