ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年

第二章 オリジナルマーケティング戦略

客づくり 企画の成功例

2001/7/15更新

年商3千万円の商品開発

実施レストラン 鉄板焼き 1987年7月 テーマ「企画商品」 ターゲット「婦人客」 目的 入客増

鉄板焼きレストランは昼営業が入らない。日本料理のレストランは満席である。なぜ、鉄板焼きは婦人に人気がないのか。確かに1日10名入客のほとんどが男性客である。メニューもスープとステーキとコーヒーで5千円は単純すぎるかな。

何とかあの日本料理に並んでる婦人客を呼び込みたいと考えた。目標を1日10名5万円とした。

商品づくり

日本料理のお弁当と同じ5千円のフルコース鉄板焼きランチ。フランス料理のデザート食べ放題を付ける。(コストはかからない)食後のおしゃべりタイムのためにこだわりの紅茶を組み込んだ。女性的なネーミング「ナイスミディのフルコースランチ 蘭」とした。誰のためのメニューかを明確に打ち出した。

店づくり

イギリス王室をイメージした豪華で優雅なメニューを作成。紅茶は砂時計を用意してお客様の前で丁寧に入れる演出。

客づくり

フランス料理の婦人顧客へのダイレクトメール発送。近所のご婦人を呼んで華やかな雰囲気で写真撮影。(食事を出し出演料無料)これをポスターにして日本料理の横に置いた。

総経費25万円。

結果、当初夏の2ヶ月を考えていたが夏休みなどで婦人客が利用しない時期で効果は余りなかった。期間延長で9月に突入、徐々に効果が出て11月頃から平均20名の入客となった。

前年同月のランチ売上と比べ330万円の増収を達成した。しかも月を追うごとに入客増となり一向に衰えない。メニュー改定時にグランドメニューに昇格させた。

1年後のランチ売上は前年対比で一気に3千万円の増収となった。

このように企画商品は、グランドメニューにない新商品(価格や内容)を開発して試す。売れればグランドメニューに入れ、売れなければやめればいい。

この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください

2006年再読