ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年
第二章 オリジナルマーケティング戦略
攻めの店づくり
2001/7/3更新
セールストーク その2 セールストーク実施結果 @鉄板焼きレストラン セールス商品「アワビ」 開始前はメニューを渡すときに「メニューでございます」と言っていた。 開始後は「本日のお勧めは活けのアワビでございます」と言ってメニューを渡すに変えた。 1994年度(前年)実績 285オーダー 売上1,090,000円 1995年度 実績396オーダー 売上 1,610,000円 510,000円増収 139% サービスする人もメニューも全く同じであるが50万円以上も売ってしまうのである。 Aフランス料理 セールス商品「お昼のお飲物」 開始前はソムリエが「お昼でございますが何か飲まれますか」と言っていた。よく考えてみるとお昼に飲むことを否定していることに気づいた。お客様は「お昼だから結構です」となる。 開始後は「お昼のお飲物は何にされますか」と変えた。するとお客様は「何がございますか」に変わる。 1994年度(前年) 売上464,000円 1995年度 売上 722,000円 257,000円増収 155% 売上げを上げるヒントはどこにでもあります。しかも経費は全くかからない。 B「アルコールが飲めないのです」と言うお客様に対し。セールス商品「フレッシュオレンジジュース」 開始前 「フレッシュのオレンジジュースでもいかがですか」と言っていた。 開始後「オレンジをお絞りいたしましょうか」と言って絞るアクションをつける。 1994年度(前年)実績 104オーダー 売上83,000円 1995年度 実績 156オーダー 売上 124,000円 41,000円増収 150% このセールストークには深い歴史があるが省略する。 C鉄板焼き セールス商品「お昼のフライドライス」 これまでお勧めしていないメニューの一例である。5,000円のランチでご飯の代わりに焼き飯を勧める。「定食料金には含まれておりませんが、ご好評をいただいております目の前でお焼きする焼き飯もございますが」 1994年度(前年)実績 13オーダー 売上12,000円 (セールスをしていない) 1995年度 実績 186オーダー 売上 162,000円 150,000円増収 対前年比1,430% 全く同じメニューを使い、全く同じスタッフで実施したこの結果。対前年比1,430%である。この方法で4ヵ月実施した結果、70万円の増収となった。 お客様はセールスによって本当に喜ぶか。売りっぱなしではなく「いかがでございましたか」と伺いアフターケアーに努めた。「勧めるだけあっておいしかったよ」などのコメントも多くいただいた。不思議にも苦情は全くでなかった。 このようにサービスする「人」によって売上げを上げるのである。売上げを上げる為にセールスするのではなく、美味しい物をお客様に紹介する気持ちでセールスすることが大切である。 今一度申し上げる。施設も、メニューも、人も全く同じで、対前年比1,430%の売上げが残せるのである。
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この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください
2006年再読