ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年

第二章 オリジナルマーケティング戦略

店づくり(教育訓練計画)

2001/6/29更新

スペシャリストへの道

レストランでのスペシャリストはソムリエとバーテンダーである。この職種を否定するわけではないが考え方に若干の意見がある。自分の仕事として将来的にスペシャリストを選ぶことが正しいかどうかである。(若い人はスペシャリスト志向が多い)

ワインのことを一生懸命勉強する。勉強しても勉強しても覚えることが多い奥の深い世界である。だんだんその道以外のことが見えなくなってくる。バーテンダーもほぼ同じ事がいえる。

ホテルもレストランも利益追求の企業である。いくら素晴らしいソムリエやバーテンダーがいても儲かっていなければならない。専門知識だけを勉強していると、商売のことがボケてくる。

経営は理屈ではなく結果である。数字的なミーティングをしているときにこのスペシャリストが少々ボケたことを言う。「飲料の単価が下がっている原因はなにか」「高級ワインの在庫が少ないし、いい客が来ないから」このような話になってくると人の意見を聞こうとしない。

高価なワインを何年もセラーで寝かせる。借り入れ金利だけでも経営を圧迫する。経営者から信頼されるであろうか。一生ホールに立ち接客をしていればいい。

これからのホテルレストランに求められる人材は、いいサービスをするスタッフよりも、儲けるスタッフが必要である。(スペシャリストよりもゼネラリスト)

 

この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください。

2006年再読