ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年

第二章 オリジナルマーケティング戦略とは

その1 商品づくりの参考事例

2001/6/26更新

たこ焼きの味穂 名物商品消え去る 1994年現在

たこ焼き居酒屋「味穂」は大阪ミナミの名物であった。

10年前、美味しい日本酒の飲める居酒屋であった。座るとまずたこ焼きを注文する。これが本当にうまいんだな〜。いつも満席で活気があり入れるかどうかドキドキしながら行った。

大阪ミナミを離れてもいつも「食べたいなー」と思っていた。客単価5千円。

3年前、風の便りで経営者が変わったと聞いた。期待して出かけた。店は改装され清潔な感じになりメニューも少なくなった。たこ焼き、焼きそば、おでん、どてやきだけ。

新しいスタッフは全くの素人である。相変わらずたこ焼きはうまいんだな〜。それ以外のメニューはまずくて食えない。客もあまり入っていなく少し心配した。

たこ焼きの商品力だけでもっている。客単価2千円(飲み食い)

今年も訪れた。午後9時のゴールデンタイムに客はいない。たこ焼きの味が変わった。働いているスタッフも全く進歩が感じられない。

スナックやクラブへの出前専門の印象を受けた。大阪ミナミの味が1つ失われた。客単価7百円。

どんなに美味しい商品を持っていても働く人が駄目では店はつぶれる。こんなにおいしい商品を作った人の心が失われた。この店も時間の問題でしょう。

大阪ミナミの客はバカじゃない。

2006年現在 味穂はアメリカ村の中で居酒屋として元気に営業している。

この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください。

2006年再読