ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第一部 ホテルレストランビジネス 1982年〜1990年
第二章 オリジナルマーケティング戦略とは
その1 商品づくり
2001/6/26更新
原価と売値の話 美味しい料理はいくらで作れるのか。(料理原価) それをいくらで販売したらいいのか。(販売価格) 料理原価は一般的に30%といわれている。千円の材料で作られた料理は3千円で販売する。但し、扱う商品の内容やマーケットプライスによってかなり左右される。 我々のレストランの料理コストは42%としていた。大阪ミナミのお客様は比較することに慣れており料理の価値を見抜く力をもっている。食べ物商売で料理にどれだけお金をかけるかが腕の見せ所である。それでもある程度以上の売上げがあれば利益は十分でる。(損益分岐点の把握) 美味しい料理にはちゃんとした理由がある。高い、安いではなくお客様が納得するかしないかである。何度も申し上げるが、飲食店の基本はお客様が美味しいと言ってくれるうまい料理があるかどうかである。 料理長とはうまい料理をいくらで作れるかではなく、いくらあれば美味しい料理が作れるかから話し合わなければいけない。たとえそれが一般的に高い料理であってもうまい料理なら必ず売れる。これが商品づくりである。 経営者は「料理のコストは何とかならないか」とよく言う。一方的にこのように指示してくる経営者は本来の商品の価値を見抜く力など持ち合わせていない。 ただ数字を見て自分の経営数値の良し悪しだけで言っているに過ぎない。 コストを下げろと言うならば、仕入業者を検証し、いい物を少しでも安く仕入れるにはどうすればよいかを経営者としてアクションを起こしてほしい。 メニュー内容を検証して売れないメニューの見直しや売れるメニュー開発のアドバイスなどやるべきことは山ほどある。ただ単にコストの数字だけで繁盛店づくりに逆行する判断をされないように。 美味しい料理づくりの変更はお客様か経営者しかできないことをお忘れなく。 |
この原稿は1994年のものです。少々時代錯誤の部分があることをご理解ください。
2006年再読