ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-

2007年7月19日更新 

独立秘話 その13

もし、この施設をお借りして、我々が経営するとしたら、開業までに幾らのお金が必要か。

前回の開業までの費用は、予備費も含めると2000万円。

今回は開業後に実際のオペレーション費用について考えて見ましょう。

桜の季節のこの別荘は最高の雰囲気をかもし出します

開業後に働くスタッフの募集広告費は50万円。音響映像関係の費用は500万円。この施設を素敵に変えるブライダル家具を買うための費用は2000万円。(披露パーティ用のイスとテーブルを含む)

結婚式に使うオルガンも200万円はしますね。え、鐘を鳴らしたい?カリオンの鐘は最低100万円はかかります。特注家具というのが必要です。それは、ケーキカットの台、司会台、メインテーブルなどを製作すると140万円です。

立派な調理場がございます

この施設には80名の披露パーティの料理を作れる調理場があります。ケーキやデザートなどとなると再投資が必要かもしれませんが今回は考えません。

食器やシルバー、グラスなどを人数分揃えると900万円くらいかかります。リネン関係は100万円かかります。

キッチンの什器や備品、ホール用にワインクーラーなどの備品などを揃えると500万円くらいかかりそうですね。

あ、営業サイドのサロンにはパソコン、冷蔵庫、ドリンク一式などなど300万円必要です。開業のために費用が4790万円まで膨らみました。

この施設を借りて、開業するまでには6790万円ものお金が必要でございます。

大きな問題は、この施設がある場所です。結婚式を行なうスタッフ、調理のスタッフ、サービスのスタッフ、協力会社の皆様を含めて都会からわざわざ出向かなければならない点です。

それぞれが車で行きますか?駅前に大型バスを用意して全員がそれに乗って参りますか?考えただけで余計な経費がかかりそうですね。この費用も商品価格に反映させなければならないでしょうね。

この巨大別荘を借りて「別荘ウエディング」のオペレーションを行なうための投資額が、膨大になってしまいました。

やはりリスクも伴いますし、営業的な確信もありません。ちょっと手が出せない物件であると結論を付けました。

海に浮かぶ巨大別荘にはウエディングベルは鳴らなかった

しかし、管理人は平成19年3月に、この別荘で、実際の挙式と披露パーティをプロデュース致しました。やってみた感想は「大変でした。これから話を進める力が無くなりました」

皆でお疲れさんで飲んだワインは、「シャトー・オーゾン ヌ」でした。

ああ、又この件もビジネスにつながりませんでした。

つづく

 

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