ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-

2007年6月7日更新 

独立秘話 その4

2006年6月、7月末に東京ビックサイトで行なわれる、ブライダル産業フェアに出展しないかと誘われた。起業時の大型プロジェクトを失った私は、新たなビジネスを模索すべく「出展します」と決断した。

2007年度ブライダル産業フェア情報は、 こちら

この時の私は、「ブライダルの経営コンサルタント」という肩書きが気に入っていた。新規の集客ができない企業様を助けたい。決定率の低い企業様を助けたい。

ブライダルビジネスで赤字に苦しんでいる企業様を黒字に変えてみせたい。そして、これもあれもすべて、私ならできると信じていた。

この形の無い商品である「ノウハウ」を売る(紹介する)ブースにしようと、製作物を作ることにした。

ブライダル業界はビジュアル系の広告が多いと考えていた。おしゃれに美しく印刷物を作る必要は感じていたが、得意の逆転の発想で、極めてストレートなおやじ臭い広告コピーを考えた。

出展ブース内に出すA2サイズの用紙には、「赤字か 黒字か 」という目立つ斬新なコピーにした。

 

ブライダルMCアライアンス(BMCA)の共同パンフレットには「新規が来る。新規を決める。」という大胆な内容にした。おそらく他の広告主の皆様は、私の広告が下品と感じたに違いない。

 

皆様方との共同パンフレットでの効果に不安があったために、自社にてオリジナル案内封筒を作った。当社の会社案内に手作り案内文書を添える形にして、新宿本社で手作業にて400部の配布資料を作った。そして、東京ビックサイトに郵送した。

 

出展前日に行なったブースづくりは相当大変な作業であったと報告を受けた。これまで色々展示会には出かけたが、出展に関する苦労など考えたことも無かった。我々は予算が極めて限られていたためにボランティアにて作業を行なったのである。

 

いよいよ社運をかけたプロジェクト、ブライダル産業フェアが、2006年7月25日午前10時に始まった。

このフェアでは、業界の成功者や著名な講師を呼んで無料セミナーが行なわれる。この時のオープニングセミナーの講師として壇上に立ったのが元部下であった。

この時のテーマが「だめウエディングプランナーの使い方」であり、具体的な事例に登場する「だめプランナー」は、私のビジネスパートナーであり、本人も一緒に聞いて「あれ私です」と笑っていた。

結婚式場の経営者や支配人に見える方を中心にパンフレットを手渡しで配り続けた。2日目の午後5時まで一生懸命配り続けた。

そして、熱く長い2日間の戦いを終えた。

 

2006年12月末現在、このフェアーでの営業活動に対する結果。たったの1件の電話もなかった。(そして2007年1月17日1本の電話があり私の運命を変えた)

 

 

仕事が見つからない私に、かなり昔の上司から1件のメールが入った。「ある地方ホテルのマーケット内にT&G施設が開業して、ホテルの婚礼が激減している。なんとかならないか」

私はすぐにホテルのある地方へ飛んだ!(つづく)

 

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