ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-

2007年5月29日更新 

ゲストハウスWのノウハウ公開 その5

 

売りやすいようにプランを作っている。

プランは安さを競っている。

駅前で配っている H.I.S のパンフレットより引用

私がプランを広告に出して売るのはやめようと言い続けてきても、結婚情報誌ゼクシィではハウスウエディングの会場も加わって、プランの種類が増え続けている。

私は結婚式のプランは、旅行のパックツアーと表現している。飛行機も、ホテルも、移動手段も、観光地めぐりも皆様と同じように行動する旅。自由時間と言っても、オプショナルツアーを売りつけられて、結局かなりの追加料金を払わされる。

このような旅行業界のビジネスモデルとブライダル業界(プラン)のビジネスモデルに違いが感じられません。

関西ゼクシィ2007年7月号にこのようなプランの広告があった。(老舗のホテル)

これって旅行業界の料金表に似ていませんか?

ツアーに参加した人の満足度を考えると、再び行きたい旅になっているかどうかです。新郎新婦が買った婚礼プランは、出席する人がいつも同じ内容で、出席した時の満足度に影響すると思う。

考えてみてください。ご祝儀という会費を取られて、毎回同じツアーに連れて行かれたら嫌になりませんか。

格安ツアーの旅行雑誌、ABロード(リクルート社)が、本屋で見かけなくなったことに気づいていますか。

格安プランの結婚情報誌ゼクシィ(リクルート社)が、本屋に山積みされています。これってどう思いますか?

ハウスウエディングの最大手 ディスカウント商法で生き残りをかける

関西ゼクシィ2007年7月号より引用

マタニティウエディングプランでは、100万円も引いてくれます。そうすれば、マタニティではない人がこの広告を見て、見学に行くのでしょうか。

格安プランは、オフシーズンだけではございません。あえて、10月と11月で売り出している大阪の一流ホテルのプラン。

 

関西ゼクシィ2007年7月号より引用

このプランのセールスポイントは、スペシャル特典でございます。初めての結婚で商品の価値観も持たない新郎新婦に、いくら○%割引と書いても魅力的に感じないと気づいていますか。(最初から割引前提の商品価格にしている会場様も多く存在します)

ゼクシィを見ていると、プランのマークと特典のマークが入っていない会場のほうが圧倒的に少なくなっております。おそらく、ゼクシィの営業の方に「プランや特典と書かないと新規は来ませんと」と言われていると思います。

関西ゼクシィ2007年7月号で、12ページの巨大広告を掲載している、勢いのあるゲストハウスは、プランと特典の文字は一切入っておりません。ここの支配人さんは私に対して「2ハウスで380組はいけると思います」と自信たっぷりに答えていました。

私はプランを作ってはいけないとは言っていない。安く販売するなとも言っていない。雑誌の広告に出すべきではないと言っている。

会場に来られたカップルの話を聞いて、「予算が少ない」と言われたら、ご希望通りの「2人の格安プラン」を2人だけに作ってあげれば良いのです。「インターネットに書かないでね」と念をおして。

花代を5000円からにしないで1000円からにしてあげればよいのです。料理も15000円ではなく6000円から作ってあげれば良いのです。

あくまでお2人の意向を反映させた見積にしてあげればよいのです。こうして作った見積が、35名75万円(先程のホテルの特典プランと同額)になったら、どれほど喜ばれるでしょうか。

これが新規の接客の極意でございます。

だから私はプラン(広告の)はいらない。広告で安さを競うことは必要ないと申し上げています。

 

ゲストハウスWのノウハウ公開(おわり)

 

 

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