ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十部 ゲストハウスの中に僕がいた 2006年-

2007年5月14日更新 

開業物語 仙台編 その4

開業後に開催した模擬結婚式の会場 参加者は、わずか2組のファミリーだけ。 

(私は模擬披露宴反対派で、このときにはすでに蚊帳の外でした) 

 2003年11月 まんぷく寺写真部撮影 

これまでの私は、素晴らしいウエディングという商品を考えて商品化し、やや高めでという適正価格で多く販売してきた。

ここ仙台では、このビジネスに大きな疑問を持った。マーケットが予想以上に小さいこの地区では、これまでの商品の作り方と販売方法では、とても予算の達成にはならない。

新規で来ていただいたカップルに必ず(100%はないけど)買っていただける商品はないかと考えた。

商品名「あなたの○○○ウエディング」という商品である。この○○○の文字を公表した瞬間に、どこかで真似をされる画期的な商品名だと自負している。

開業の1カ月前に、私が実際に販売を開始した。

私:「お2人に、耳寄りな情報をお知らせいたします。本日から販売が開始されました、おふたりの○○○ウエディングという商品です」

お2人:「え、本当ですか?・・・・・・・・・・・・・・・。ここで決めます」

開業までの1カ月で60組という少ないゲストに紹介して、30組のゲストが買ってくれた。決定率は50%で、開業前にやっと三桁の積み上げに成功した。

ブライダルのマーケットには、地域という横のマーケットと価格という縦のマーケットが存在する。横のマーケットに限界を感じた私は、縦のマーケットへの対応商品を作ったのだ。

言っておきますが、「値引き」「安くします」「特典」「プレゼント」というキーワードは一切使っておりません。この表現は、これまでのブライダル業界が考えられなかった素敵なワードを使っただけである。

ようするに、同じマーケットにある競合他社にはない差別化の商品を作ればよいのである。他の施設に無いオリジナルな商品なら買ってもらえるでしょう。

突貫工事の仙台ゲストハウス

開業後、しばらくして私は東京の施設の閉業準備室長として関東に戻った。その後、ゲストハウスウエディングの支配人として施設に立つことは無かった。

ゲストハウスウエディングは、ハードを競うものではありません。

「ホテルや式場に無いオリジナルな差別商品を作ることである。」

次回から、私が考えたゲストハウス創生期からのノウハウを公表することにいたします。

開業物語 仙台編 完

 

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