ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第九部 甦れホテルブライダル 2006年〜

2006年09月19日更新 

ホテルブライダルの枠の作り方

前回で目標について書きました。

今回は「枠」について書きたいと思います。まず、皆様のホテルの婚礼枠を調べてください。1年間で1宴会場に対して枠はどれだけ作られていますか。

婚礼枠は土日祝だと1日2回転で作るのが普通ではないでしょうか。そうすると年間約250枠くらいになっています。これにホテルにある宴会場の数を掛ければ、ホテルの婚礼枠が分かると思います。

例えば、4宴会場をもつホテルでは1000の枠があることになります。(250枠×4宴会場=1000枠)

では、この婚礼枠の総数に対して実際の獲得組数はいかがでしょうか。稼働率が50%なんてことはありませんよね。え、50%にも足りていないのでしょうか?

当社の調査では、関東地区において、作った枠に対する実際の予約は約35%という数字が出ております。要するに平均65%の枠が売られることもなく、一般宴会用に流れていくことになります。

そもそもホテルには、「大安・友引は、取れるだけ入れよう」という考え方があります。ホテルでは、最大組数というのがあり、一日最大婚礼を何組できると考えます。

ホテルの婚礼セールスの盲点がここにあります。枠を多く作って、その枠を売っていく考え方です。これはまさに箱を売るホテル商法の考え方です。ホテルの都合を枠という形にして売っているのです。

もし、ゲストが気に入った宴会場があっても、気に入る時間がない場合はどうなるのでしょうか。宴会場をすすめるのか、お気に入りの時間がある宴会場を別にすすめるのでしょうか。

年中、同じ枠を採用していれば、このゲストのお気に入り時間は永遠にないことになります。そうすると、せっかく気に入ったが、時間が合わないからと逃げていくのです。

実際の目標に対して枠は1.5倍をめどにすればいいのです。大安は最大の枠でもよいのだが、仏滅の日は枠がなくても良いのです。

枠を売ろうと考えるのではなく、ゲストが気に入る枠だけを厳選して作るという考え方が必要なのです。おわかりいただけたでしょうか。

つづく

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