ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

ホテルビジネスを考える 2005年〜

2005年06月03日更新 

ホテルのレストランを考える その4

料理長が悪いからレストランの経営がかんばしくない。その前に声を大にして言いたいことがある。それはレストランマネージャーがもっとしっかり経営を考えているなら数字は必ず上がるということ。

しばらくは私が体験したホテルレストランのマネージャー仕事について報告する。

2005年5月に万国博覧会で沸く名古屋のホテルでの出来事。シングルルームが14,000円の値段なのでシティホテルと言っていいだろう。

このホテルの朝食は万博期間中はブッフェの営業である。私が利用したのは午前7時半ごろだが、レストランに入るとマネージャーがレジのところで部屋番号と名前を確認する。「バイキングですから好きなところに座ってください」と味気ない案内。(と言ってもレジの中から)

私は即席ブッフェ台から適当に朝食を取り調理場の出入り口に近い席に座った。この席を選んだ理由は調理場内でのスタッフの会話が聞こえるのではないかという期待からである。

しばらくするとユニフォームを着たウエイターが眠そうな顔で出勤してきた。まずはじめにマネージャーのところへ行き「おはようございます」と挨拶した。

そして、このウエイターは客用のトレーをつかみブッフェ台の方に歩いていった。その時にブッフェ台には数名の客がいたのだがウエイターはかまわず自分の好きなように料理を取り始めた。

一通りブッフェ台から自分の食べる料理を取った後は当然のような顔をして堂々と調理場口へ消えた。

私はこのホテルで2回同じような光景を目撃した。おそらく毎朝、自分たちの食事を客用ブッフェ台から勝手に取らせて食べさせているのであろう。(しかもユニフォームで)

皆さんはこの出来事を読んで「信じられない」と感心して、このレストランだけの特殊事情だと思っていませんか。

色々なホテルを利用してこのレベルの出来事が日常茶飯事的に行われている事実があります。スタッフは「私たちはいいサービスをしているのに・・・」と上司やホテルのせいにするホテルマンも知っている。

誰がなんと言おうが、レストラン内で起こるすべての出来事はレストランマネージャーの責任である。多くのレストランマネージャーは言っていることとやっていることが違うではないか。

その5につづく

 

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