ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

ホテルビジネスを考える 2005年〜

2005年03月04日更新 

ホテルのレストランを考える その1

私が関西でホテルマンをしていた時代、今から15年は前の話。東京に来たときの宿はいつも新高輪プリンスホテル。

品川駅を降りて坂道を上がって行く途中に高輪京急ホテルがある。外からコーヒーショップが見えるのだが繁盛している店内を見たことがなかった。

2000年4月にこのコーヒーショップがファミリーレストランの「ロイヤルホスト高輪京急ホテル店」に変わった。ホテルは直営をやめてファミリーレストランをテナントにしたのだ。

山梨学院大学土井久太郎教授が書かれた本「ここが変だよ日本のホテル」によると、このロイヤルホスト高輪京急ホテル店は全国のロイヤルホストで売上一番だそうだ。

客席数131席の客単価1050円、24時間営業で年商4億円を超える。社員は8名であとはパートアルバイトである。

赤字のホテル直営レストランで色々悩むより、坪単価2万円から3万円でテナントに貸したほうがどれほど楽に金儲けができるか。すでに全国のホテルで有名レストランを中心としたテナント化が進んでいる。

ホテルマンの皆様、この事実をどう考えますか? この話、一昔のデパートに似ていないか?

デパートの商品を並べるより力のあるテナントを入れた方が売上が上がる。その後のデパートはテナント管理会社のようになってしまった。

その後のデパートがどうなったかはご承知の通りでしょう。

次回はホテルのレストランがいかに儲かっていないかを実例で紹介しましょう。 その2へつづく

 

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