ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

ホテルビジネスを考える 2005年〜

2005年07月13日更新 

ホテルのレストランを考える その6

ホテルではありえないレストランをオープンしたときの話。

私はホテルのフレンチレストランマネージャーとして11年間レストランのオペレーションを担当した。競合するレストランはホテルのレストランというより街場のレストランであった。

街場のレストランの皆様と話をしていて「ホテルでは制約が多いな」と常に思っていた。

例えば、メニューには必ず英語表現が必要でホテル内外国人のチェックを受けなければならない。メニューの販売価格は幹部会の承認事項。

ドリンクの価格もグランドビバレージリストで決められておりレストランで勝手に決められない。メニューの値下げ提案などまずは承認されない。

何をするにしても何を買うにしても、かなりの手間と時間がかかった。

そんなホテルのレストランと比べて街場のレストランはマネージャーの裁量で好きなようにできる。変わりゆくゲストニーズに即対応できる体制が整っている。

私がホテルを辞めて一番最初にした仕事がホテルではありえないレストランをオープンすることであった。

1999年に東京の高級住宅街(坪5万円)でホテルでは信じられない高級フランス料理のレストランをオープンしたのである。

このレストランのことを詳しく説明してみる。その7につづく。

 

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