ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」    

たべもんや三度笠 博多編 

生涯最高の店 三度笠 

  ろばた焼 磯貝 2003/1/28

福岡市早良区藤崎1-1-40 092-843-9833

13年前、グアムから博多へ来たときの話。

ホテルの料理長に「うまい魚が食べたい」と美味しい店の紹介を受けた。

それが「ろばた焼 磯貝」である。

訪れて驚いた。歩道にみかん箱が置かれており、腰掛けて待つ。

1時間は待っただろう。やっと中に入って再び驚いた。

カウンター8席とテーブル2席の本当に小さな店であった。(予約不可)

美味い魚を安く食った。サービスも家族の暖かさに感動した。

「またこの人たちに会いに来たい。また美味い魚を食いたい」

その後、毎年グアムから5年間通った。

それから8年の月日が経過した。

昨年リノベーションしたと便りが届いた。

 

豪雪警報が出ている博多。寒くて寒くて震え上がる日の夜。

大阪から午後6時に予約を入れてあるさ。Kさんと部長さんは遅れて来られる。

地下鉄「藤崎駅」に降り立ち徒歩4分で到着。ここは繁華街でなく住宅街。

  

店構えは全く変わっていない。座って待つみかん箱(板になってた)も置いてある。

期待に胸を膨らませて店に入った。

かつての半分が住宅を全部客席に改造してあった。(一気に100席に拡張)

以前は家族だけで営業していたが若いスタッフが多く働いている。

お二人を待つ間に「生ビールとさしみ盛合わせ2人前」を注文した。

しけが続いていい魚が少ないんです。なんのなんの美味しい魚達のハーモニーを感じる。

ご主人「末次さん」が近くに来たので「お久しぶり」と挨拶。

「あ〜、全然気づきませんでした」「大阪からわざわざ来ました」

未だ現役のご両親に声をかけていただき、ご自宅の奥様にも電話をかけていただいた。

そう言えば最初に訪れた時は、フィアンセだった奥様にも8才のお子様がいるとの事。

そんなやり取りをしていたら、Kさんと部長さんが到着。

カウンターに置かれている箱の中で生きてるイセエビが暴れている。

「イセエビをさしみで食べましょう」

これ1800円です。殻は4人前のイセエビ味噌汁に仕上げてくれる。

本当に甘くて美味しい。

すでに来店から1時間が経過していた。

100席が早くも完全満席。

ご主人おすすめの「つぼ鯛の味噌焼」をいただいた。

これ見た目は悪いが、実はプリプリして忘れられない味だ。

これまたご主人おすすめの「あかぐろの煮付け」をいただいた。

超グルメのKさん「こげんうまか魚があったとや」と絶句。

「又来る」の連発!!

外は吹雪なのに次から次へと客がやってきて立って待っている。

お見事である。

この忙しい中、ご主人と話が出来た。

「いつかは東京で勝負してみたい」

多くの人が待っているので「そろそろ行きましょうか」と言ってしまった。(悲しい性ね)

この満足度に対して「異常に安い料金」です。

店を出る我々を寒風吹き荒れる店の外でいつまでも見送っていただいた。

店を拡張してスタッフが増えた分多少のサービスにひずみが感じられた。

でも美味しい魚と異常に安い料金とご主人のホスピタリティがかき消してしまう。

文句なく「生涯最高の店3度笠」です。

 

部長さん「おいしいもつ鍋屋があります」と言ってタクシーに乗り込んだ。

 

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