ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十四部 侵入取材 銀座のレストラン残酷物語 2015年

 

 潜入取材 銀座のレストラン残酷物語 その8 2015/7/2

 

この話は事実を元に書かれています。

実際にその会社に就職して体験した事実を報告します。

二度と私のような犠牲者を出してはいけないという思いです。

この会社の支配人(店長職)は、何十人も1か月以内に退職している。

その理由が「うつ病になって」である。

 

いまどき、こんな会社があったのか!!

 

2015年5月3日 早朝6時 横浜のとある駅

今日は、ゴールデンウイークのパレードがあるらしい。

おそらく、何も食べることができないだろう。

  

そばといなり寿司を食う。

午前7時前に職場に到着。

常務Uがいない。(しばらくして来たが)

誰も指示を出す人間がいない。

この日の営業を誰が仕切っているのも分からない。

「すいません、パレードは何時からですか」

「11時からですが、この前を通るのは12時ごろです」

「はあ?お昼のパレードなのに7時出勤なの?」

・・・・・くだらないので省略・・・・・・・

外でドリンクを売るためにセットを・・・・。

誰もやる人がいないようだ。

 

本社から3名のヘルプが来るようだが・・・。

地下から重い生ビールの機材を階段で運ぶ。

どうやらこれが私の仕事なのか?

氷の在庫もないようだ。

私が、近くの業務スーパーに買いに行った。

この時点で午前11時である。

私とヘルプ(総務S+1名)が外でドリンクを売る担当。

私のいる場所を通って、予約ゲストが店に入って行く。

私は、予約名を確認して、いちいち階段を下りてゲストを、

店の係にバトンタッチすることにした。

「生ビールいかがですか!!」

と大声でセールスするが売れない。

ヘルプは、ビラを配りながら店への誘導役に変更となった。

パレードが始まる。

次々と店に入るゲストを、階段を下りながら案内する。

案内した時に、係がいないことが多くなった。

店がかなり追われている。

追われる常務Uは、「入れるな」と怒鳴る。

私「こいつ、あほか」とつぶやく。

前もって玄関で止めなければ入ってくるだろう。

本社からヘルプに来ているビラ配り役の総務Sに言った。

店が満席なのでこれ以上入れるなと言う指示ですよ!

総務Sは、今入れないでいつ入れるんだ!

と全く聞かないで、次々ビラを配りながら入店を促す。

ここに、この会社の実像を見たような気がする。

現場は、回らなければゲストに迷惑がかかるので入れないでくれと言う。

総務は、ヘルプに行った日の売上を1円でも上げようと入れようとする。

常務Uがこう言った。

「外は売れないなら、店の中でヘルプしろ」

「こいつ、信じられないほど器が小さい奴だな」と心で叫ぶ。

それからは、店の中でバッシング(下げ物など)を続けた。

座敷では靴を脱いで、腰を曲げての下げ物。

これは、疲れる。

あちらこちらの席から、料理の請求を言われるが、

誰に言っていいのかもわからない。

何十分後に、また同じ人から「まだか」と請求を言われる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

苦情連発の営業が午後8時まで続いた。

ここまで、飲まず食わず休憩も無し。

 

この店の支配人(候補)を引き受けたのだね。(信じられない)

私のウエイター人生でワースト5に入るひどいオペレーションだ。

 

 

ということで研修3日目が終わった。

 

家に着いたのが間もなく日にちが変わるころ・・・・。

 

つづく

 

 

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